赤ワインに果実を漬け込んで作られるカクテルが「サングリア」だ。スペインなどでは、バル(大衆酒場)や自宅で飲まれるスタンダードなお酒である。最近日本で見かけるサングリアは、白ワインでつくられるものも多い。
先日、編集長Dとともに小田原に行った際、とある店に入店。まず目に飛び込んできたのが自家製サングリア4種類のメニューだ。まだ日の高い時間だったが、注文してみた。
引き算のマリアージュ
まずは、赤ワインにブルーベリーなどをふんだんに漬け込んだ「ミックスベリーサングリア」をいただく。想像通り、甘い。だが、赤ワインがベースにあるので、甘ったるくはない。飲みやすい口あたりなので、ワインの渋みやえぐみが苦手という向きにはぴったり。お酒の苦手な女性や、ワイン初心者にもおすすめできる一品だ。
これに合わせるつまみは、やはり肉がいい。メニューの中からチョイスしたのは「合鴨スモーク」。ジューシーな合鴨肉がソフトにいぶされていて、黒コショウがいい感じにふられている。合鴨肉は、若干の煙たさとしつこくない脂っぽさで、それなりに主張してくるが、その主張をちょうどよく緩和させてくれる甘さがミックスベリーサングリアにはある。かけ算のマリアージュではなく、引き算のそれだ。
芳香と苦みが楽しめる大人のサングリア