全国各地に「井」の付く地名はまさに泉の溢れる如くありますね。千葉県の中ほど、成田と佐倉の間に位置する酒々井町もその一つで、「しすい」と読みます。“酒井”にも増してお酒の溢れていそうな“酒々井”。親思いの孝行息子が汲んだ水が酒になったといわれる「酒の井」伝説が町名の謂れです。
東京を発車した総武本線は千葉駅で90度左折し、佐倉で左手に成田線と別れ、今度は90度右折して太平洋に向かいます。その総武線で佐倉の次駅である南酒々井を降りた森の中に、「甲子正宗」飯沼本家の酒蔵があります。
酒々井の地名から、酒蔵がひしめき合っていそうですが、実はここだけです。蔵元飯沼本家は300年の歴史を誇り、千葉県下最大の清酒出荷量です。
「ちばの地酒」と銘打った『通酒』は、ラベルに「左党の方々におすすめしたい 飲みごたえのある通好みの酒」とあります。度数が15度~16度あることからも頷けます。
大概の場合、長ネギには根が付いて売られていますが、ニラは根が付かず茎を束ねて売られています。これは生産の手順として、根を残したまま茎を刈る→新しい若芽が伸びてくる→それをまた刈る→また伸びてきてまた刈る……を繰り返すためです。一番目に刈った茎は太く、次第に細くなります。
そんなニラを使って韓国風のお好み焼きである「チヂミ」を作って、『通酒』と合わせてみました。
1)皮を剥いたジャガイモをおろし器でおろし、ボウルに入れる。
2)ツナギに少々小麦粉を加え、塩をし、生地を作る。※片栗粉と小麦粉を合わせて生地を作る時は水を入れなければなりませんが、ジャガイモは加水する必要はありません。
3)ニラは3センチ幅に切り揃える。
4)豚の薄切り三枚肉に塩をしておく。
5)フライパンにゴマ油をひいて、豚肉を焦げ目が付くまで焼く。
6)生地を回し入れて、さらにニラを入れ、両面を焼いて完成。
ポン酢で食すと酸味と香りが心地よく、ちょっと強めの『通酒』のアルコール香にも負けずよく合います。
ついでにもう一品。うどんやそばの薬味に長ネギのみじん切りは普通ですが、ニラの小口切りもグッドです。ちなみに納豆や冷奴、炒飯にもおすすめです。
今回はニラうどん。小鍋に麺汁の元を入れて、水で割ってひと煮立ち。玉うどんを入れ、もうひと煮立ちしたところで、溶き玉子を流し入れ、ガサッと小口切りのニラを入れて火を止めます。
器にあげていただくと、こちらもニラの香りがいいアクセントに。ちょうどいい〆になりました。