「たこ焼きの缶詰がある」
大阪にかれこれ20数年以上住んでいたが、そのような話は年末の居酒屋で知り合いからはじめて聞かされた。たこ焼きといえば、アツアツトロトロが美味しい大阪名物の代名詞。それを缶詰めにして大丈夫なのだろうか。早速うわさの缶詰を入手し、その味、そして相性ぴったりなビールについて検証してみた。
ご覧あれ、これが次世代の大阪名物・たこ焼き缶詰。側面には通天閣もしっかり描かれているし、大阪土産としてはこの上なくぴったりなデザインだ。時刻は午後13時。お腹も空いたので、早速開けてみる。
開封した途端、あたりに広がるこてこてソースの香り。粉モノ好きな大阪人にとってはこの上なく魅力的な芳香だ。
そんな関西風呂にじっくり浸かっているたこ焼きたちを、ひとつひとつ取り出していく。注意すべきは、意外と形が崩れやすいこと。画像では楊枝を使っているが、柔らかさゆえなかなかうまく刺さらなかったので、できれば割り箸を使った方がよいだろう。
このたこ焼きはそのまま食べても、温めて食べてもいいらしい。そのままの食べ具合も気になるが、ここは肴としての美味しさを考え、レンジでチンした上にトッピングをセッティング。
たまたま冷蔵庫に入ってあったかつお節、そして紅ショウガを一袋たっぷりふりかけた。外の店ではなかなかやってもらえない、自宅飲みだからこそ許されるこの大盤振る舞い。そして、ソースの香りにかつおとしょうがの風味が合わさって、食欲をこれでもかと煽ってくる。もう我慢できないので、お酒と一緒にいただくこととしましょう。
今回セレクトしたのは、大阪府箕面市で作られたクラフトビール、その名も「箕面ビール」。
箕面市は大阪府の北部にある自然が豊かな地で、自然公園にある大滝は「日本の滝百選」にも選ばれるほどの見応えだ。そんな土地で生まれる箕面ビール、数ある種類から今回は定番商品であるピルスナーを選んでみた。
では、たこ焼きを一口。
含んだ瞬間、粉モノ特有の柔らかい風味がトッピングと混じりあって口の中に広がり、懐かしい気持ちにさせられた。子どもの頃、塾帰りに立ち寄った屋台で食べたあの味だ。
意外なのは、中に入っているたこの柔らかさ。小ぶりながら心地よい噛みごたえで、少しずつとろけていく。染み込んだかつおダシも美味しさに一役買っている。
更にそこへ箕面ビール投入。滝の流れのごとき、すっきりとしていながらも力強い味わい。これを併せて飲めば、こってりとしたたこ焼きの味にも飽和感を覚えないだろう。
こぼれた紅しょうがやかつお節を、残ったたこ焼きの上へ載せていく。なんともいじらしいが、楽しくてやっぱり美味しい。気分はさながら、春の甲子園。大阪のけだるくものんびりした昼を、二つの大阪名物で楽しむことができた。
以上、たこ焼き缶詰めと箕面ビール、大阪のおいしく手軽なしずるメニューを紹介した。これらは大阪府民でなくともネット通販で簡単に購入可能なので、この記事を読んで興味が湧いたなら是非ともご注文あれ。
たこ焼き缶詰メーカー「mr.kanso」公式サイト
http://cbshop.jp/index.php
箕面ビール公式通販サイト
http://www.minoh-beer.jp/