「酔い足し」の提唱
ひところ巷では「ちょい足し」と称し、やれカップヌードルには○○、カレーには○○、納豆には○○、コーヒーには○○だと意外な隠し味のアイデアを持ち寄っては、テレビの情報番組と雑誌のレシピページとネットのまとめサイトで披露されていた時期があった。
お酒のメディア「バッカスの選択」ではその着眼点を受け継ぎ(乗っかりではない、「発展的継承」だ)、料理・食べものを美味しくする脇役としてお酒を使うことを「酔い足し」と命名して(勝手に)提唱していくことにした。
まず本稿でご紹介するのはフランベ、である。
こっちのフランベは甘くないぜ
フランベ? 今さら? 改めて紹介するようなネタなのか? とツッコミの構えを見せた方々、ご案じ召されるな。一般にフランベと言えば、度数の高いラムやブランデーを調理中に投入してアルコールを飛ばし、肉料理や菓子に甘めの香りを付けるテクニックを指す。しかし今回はこれをジャパニーズウイスキー、中でもスモーキーフレーバーで知られた「余市」でやってやろうじゃないか、という次第だ。
一度火が付くともう誰にも手が付けられない。