【ウイスキーに味噌、紅茶、出汁?】「シーバスリーガル」のカクテルコンペに学ぶ、ミズナラフレーバーウイスキーの楽しみ方あれこれ

編集長Dである。皆さんは「シーバスリーガル」をご存じだろ……、はいはい、ご存知だね、もちろん。では「シーバスリーガル ミズナラ」をご存知だろうか。はいはい、ウイスキー好きは結構ご存じだね。

シーバスリーガルの名誉マスターブレンダ―、コリン・スコット氏が日本にインスパイアされて創り上げたブレンドで、ミズナラ樽の原酒を効果的に使い、日本人の繊細な味覚に捧げられた一杯となっている。

そしてミズナラといえば、弊サイト「バッカスの選択」のスピンオフ商品「ミズナラスティック」だ。これはもう、ご存じだね。……だね?……。……なぜ静まり返っているのだろうか。まあいい、詳しいことはこの辺の記事を読んでいただくとして、ザックリまとめると「ウイスキーのボトルに突っ込んで放置することでウッディーな香りが付く棒」といったところだ。

で、そんなミズナラスティックによって“棒熟成”したウイスキーを楽しむヒントが得られそうなイベントが、先日都内であったので覗いてみた。その名も「ザ・シーバス ミズナラ マスターズ2017」。

これは「シーバスリーガル」主催のカクテルコンペティションで、全国のバーテンダーが参加して「シーバスリーガル ミズナラ」を使ったオリジナルカクテルの内容と腕を競う。当日は一次審査を勝ち抜いた5人のファイナリストによる最終選考会が行われた。実際のバーカウンターで審査員を相手にカクテルの魅力を説明しながら実技を披露する。

ミズナラの風味を活かしたお酒が、他の酒や素材と混じり合うことでどう変わっていくのかを知れば、ミズナラスティックで“棒熟成”させたウイスキーの楽しみ方にも幅が出るのではないか?(まあプロのカクテルを再現するのは難しいにしても、ヒントぐらいは何がしか)ということで、ちょいとレポートしてみよう。

「シーバスリーガル ミズナラ」がこんなカクテルに変身!

5人のバーテンダーによる「シーバスリーガル ミズナラ」をベースにしたオリジナルカクテル。まず1杯目は「Healing Time」。

特徴的なのは、紅茶(ダージリン)のシロップを使っているところ。これがミズナラのフレーバーと混じり合って実に心地良い芳香をもたらす。さらに卵白と柚子シロップが入り、グラスのふちには柚子塩を乗せて仕上げている。

2杯目の「Prehistory Japan」は、「シーバスリーガル ミズナラ」と純米酒を合わせ、そこにスライスした金柑の甘露煮を沈めて艶やかな味わいを出している。そして仕上げに、ミズナラ材のチップをいぶした煙をカクテルに直接噴出(専用の器具で)して、いっそう深みのあるミズナラフレーバーを付けているのが印象的だった。

3杯目は「Mizunara Heritage Sling」。これは舞茸でとった出汁を使っていて、和風の旨味がカクテルの奥底から湧き上がってくる。他には梅酒のシロップと柚子&レモンのミックスジュースを入れてスイートなニュアンスも出しつつ、最後に塩で味を引き締めているバランスの良いカクテル。

4杯目の「Mizuho」も、京都のバーテンさんの作品だけに和テイストが光るカクテル。白味噌に生姜、北海道の昆布出汁などを加えた特製の味噌シロップを使っているのが最大の特徴。他にも甘酒や玄米茶など和の素材を活かし、ハチミツの穏やかな甘さで仕上げている。

優勝したのはこのカクテル!

「ザ・シーバス ミズナラ マスターズ2017」のファイナリスト5人の頂点に輝いた優勝カクテルがこちら、「蛍灯(ほたるび)」。鮮やかなグリーンが映えるカクテルだ。

「シーバスリーガル ミズナラ」にライムジュース、ブルーキュラソー、みりんに漬けた甘夏のジュース、そしてキュウリを漬けたジンを混ぜている。爽やかさと酸味、苦味、さらにミズナラの深みが溶け合う、実に複雑なフレーバーに仕上がっていて、何か一口ごとに発見があるような印象だった。

ということで、プロのバーテンダーがしのぎを削ったカクテルコンペティション。どの一杯も「シーバスリーガル ミズナラ」の個性を見事に引き出していた。傾向としてヒントになりそうな素材は

●柚子や金柑、甘夏といった柑橘類
●紅茶、玄米茶などのお茶系
●日本酒、梅酒、甘酒など日本的なお酒
●味噌、みりん、お出汁といった日本的な味付け

あたりだろうか。この辺は、ミズナラスティックで香りを付けたウイスキーにも相性がいいかもしれない。とりあえず素人が真似できそうなところでいうと、「“棒熟成”ウイスキーのレモンティー割り」なんてのは試してみる価値がありそうだ。あとは「もろきゅう」をつまみにしてみる……とか?

個人的にはジンとの相性も面白かったので、“棒熟成”ウイスキーとジントニックを割ってみるとか、なんならジンにミズナラスティックを入れてみるとか、アリな気がしている。

あとはミズナラ材チップの“いぶし”ね。ちょっと香りが弱くなって買い替え時になってきたミズナラスティックを削ったら、これ、できるのでは……とちょっとそそられている(器具がないのだがね)。皆さんもいろいろ試してみてほしい。(ミズナラスティックはこちらでゲット!