年末に「来年の事を言えば鬼が笑う」というのはよく聞くが、年が明けたのに去年のことを言うと、一体誰が笑うのだろうか。へへへ、編集長Dである。もう1月すら終わったというのに、これから昨年の話をするが、最後まで笑わずに読むように。まあそもそも、今回は笑うところなんて一つもない。なんせ「勉強会」のネタであるから。諸君、勉強だよ勉強、真面目に読むように。
さて勉強会とは何ぞやというと、昨年の晩秋に東京・新宿御苑前の「HIGHBURY -THE HOME OF BEER-(ハイバリー・ザ・ホーム・オブ・ビア)」というビアパブで開かれた、「ビール(あるいはビールメーカー)」と「ブランド(あるいはブランディング)」に関する、うーん、何というか、まあ、勉強会、である。
ビールをこよなく愛し、また深く精通した2人の識者による講演&ディスカッション。……ま、最終的には「なるほどねぇ、じゃ、舌と肝臓でも勉強してみよう」とか言ってそのまま飲みに移行するわけだが。
で、バッカスのコアな読者の中には「ん?あれ、見覚えのある顔が……」という人もいるかもしれない。そう、「識者」の1人はジャパンプレミアムブリュー社のマスターブリュワー、新井健司さん。ビールの新たな地平を切り開くべく、自身のマニアック過ぎる見識と持てる技術の全てを注ぎ込んできた人物で、これまでもバッカスでいろいろとお話を伺ってきた。(マスターの奮戦記はこちらにアーカイブ→ http://c2h5oh.jp/category/tsukurite-omoi/)
もう1人は記者・編集者・翻訳者の熊谷陣屋氏。国内最大のビール専門誌『The Japan Beer Times』の上級記者も務めているビール・ジャーナリストである。
この2人が登壇したビアパブ勉強会。まずは熊谷氏による「昨今のビールブランドの動向・情勢」から。