編集長Dである。突然だが、皆さんは「ミズナラスティック」をご存じだろうか。そう、このサイト「バッカスの選択」から派生的に(酔った勢いの思い付きを我々は「派生的」と称する)誕生した、ウイスキー熟成アイテムである(ドヤッ)。
ただの棒きれじゃないかって? はいはいはいはい、その指摘は正しい、我々はそれを否定しない。ほんとに棒だから。だがな、これはただの棒ではない、“ミズナラの棒”だ。
ジャパニーズ・オークとも呼ばれるミズナラは、国産ウイスキーの貯蔵に長く使われてきた日本特有の樽材。スコッチをはじめ他の国のウイスキーとはひと味違う個性を生み出すものとして世界的に注目を集めていて、シーバスリーガルなんかもミズナラ樽の原酒を使ったオリジナルブレンドを出している。
そんなミズナラの木をカットして作ったミズナラスティック。何に使うのかといえば、これをウイスキーのボトルにツルッと投入し、放置する。ただ放置、以上だ。
するとそれだけでボトルの中のウイスキーにミズナラのフレーバーが移り、風味が変わる。これを我々は“棒熟成”と呼び、毎回この奇跡に立ち会うたびに目には見えない偉大で崇高な力の存在を感じ、畏敬の念を抱くのである(フォースと共にあれ)。
だがこの奇跡にも一つの問題があった。あるとき我々編集部はそれに気づいてしまった(もちろんお家芸である「見て見ぬふり」でやり過ごそうとしたが、そうもいかなかった)。
奇跡と呼んでいるものが、結局のところ“素人の主観”でしかない、……という問題である。
ミズナラスティックの奇跡を実証するには?