【ウイスキーの酒器にしてうまい食品選手権】いろんなツマミを“グラス”にしてウイスキーを飲んだら、どうなったと思う?(前編)

編集長Dである。「バッカスの選択」公式ツイッター https://twitter.com/c2h5ohjp でちびちびとつぶやき続けている「実験シリーズ」。今週は「ウイスキーの酒器にしてうまい食品選手権」。いや、正確には“今週と来週”だ。なんと、何を血迷ったか、企画まるまる2週続き。まあ、その辺の事情はいろいろと察してくれ。聡明な読者諸氏よ。

で、何をやるかというとだな、ウイスキーにまあ合うだろうと世間で言われているツマミや食品があるわけだ。それを何品か用意して、多少そのフォルムを加工して器状に成形し、直にウイスキーを注いで飲んだらおいしいんじゃないの?という実験だ。酒とツマミとして組み合わせる分にはピッタリなんだから、いけるだろ?いやダメなのか?どうなんだ?なあ、どうなんだ?というのを、例によってこの編集長D様の舌と鼻と肝臓をメイン会場に試しましょうと、そういう企画になっている。

で、全部で7品を試したので、今回は前半3種の寸評を発表。ランキング形式でね。じゃあいこう、サクサクいこう。最近いろんな人に口頭・メール・伝書鳩・念、あらゆる方法で「記事が長えよ」って言われるんでね。まあ、これが長えっていうんだけどね、それはそれとしてね、サクサクいこう。

全部で7品なのに6位から発表!

第6位「ちくわ」

全部で7品なのになんで6位なのかというと、一つちょっと「番外」が出たのでね。それはまた、次回で詳しく……。で、ちくわ。

どうやって器状にするか?って簡単な話、3~4センチぐらいに切る。

底を指でおさえれば、はい、お猪口ですね。あ、ちなみにこの実験で使用したウイスキーは「ブラックニッカ クリア」。それを注ぐ。

なかなかに難しい。慎重に。

これが注ぎたて。鼻に寄せて嗅いでみたが、香りは完全にちくわが勝っている。ちくわの磯くささって、単体で食べるときは「ほんのり」程度に感じていたが、意外と強いんだなと思う。

飲む。これがまた難しい。指で底をおさえているので当たり前といえば当たり前だが、吸ってもウイスキーが出てこない。ちくわをくわえ込んだまま天を仰ぎ、指を離してウイスキーを口に落とす、……というのが飲み方としては確実。

味は、思ったよりちくわの塩味がウイスキーに色濃く反映される印象だ。その半面、ウイスキーの香りはちくわに吸い取られてしまうのか、かなり後退し、正直なんだかよくわからない酒になってしまう。いや、まずくはないのだが、つかみどころがない。

それでいて飲みにくい……。なのでまあ、今回の中では最下位かなあ……。ただそれは「酒」としての順位。ウイスキーを飲んだあとに残ったこのちくわ、これはめちゃうまい。

ウイスキーのフレーバーを吸った分、非常に香りが高くなる。味にも気品が出る。ウイスキーの甘さが加わることで、魚のすり身のしょっぱさがいっそう立ってくる。実にうまい。このウイスキー漬けちくわをツマミにウイスキーを飲みたいぐらいだ。

第5位は、すんごいスモーキーなフレーバーが出てくるアレ

第5位「コンビーフ」

食べてるようにしか見えないが、加工成形中。まあ削ったやつは食べてるんだが。

中央部を凹まして“肉酒器”の完成。

チョロチョロチョロ。

肉に染み込んで消えるかと思ったが、意外とたまる。これをズルズルとすすってみる。

飲み始めでは、すんごいスモーキーなフレーバーが出てくる。思ったより“ちゃんとイケる”風味に仕上がってるじゃないか!

その後、ウイスキーの味わいは早々に引っ込んでしまう。つまりは肉汁の方が勝ってくるのだが、これがまたいい味してるんだわ~。やっぱり洋酒が染みてるんで、よくコクが出るのだろう。いい出汁でしっかり味のついた“牛丼の上”の、あの感じ。まあこれも「酒」としてはランキング上位にはならないが、肉汁主体の「スープ」と思えばかなりの完成度だ。

となると、もちろん食べるよね~。うまいね~。というか、甘いね~。赤ワインでじっくり煮込んだ高級肉!……にいいところまで近似した味わいになる。このウイスキー入りコンビーフをツマミにウイスキーを飲みたいぐらいだ。

前半第4位にして、すでにかなりうまいです。

第4位「カマンベールチーズ」

せっせとほじって成形。飲みやすいようにちょっと縁に寄せて凹ますのがミソ。

チョロチョロチョロ。

なかなか可愛げのあるたまりっぷり。

嗅ぐ。ブレンダーもどきの表情も様になってきたな。香りとしてはウイスキーが強く感じられる。まあ、カマンベールがそんなに「匂い」を出してくるチーズじゃないからね。

となると、あんまり味も変化がないのかな?と飲んでみる……。

ぬおお!そんなことない、変わるね。

味には塩味がしっかり出ている。が、ちくわのときの塩味とはまた違って、これはね、いわゆる「乳」の塩気。溶けたバターとか、ああいう感じ。それがウイスキーに混じってくると、コクが出るわ味に奥行きが出るわで、かなりいい塩梅。

しかも量が減るほどに味の複雑さが増すので、ゆっくり、ちびちび、長い時間をかけて楽しみたいね。それから……(力説が始まったので割愛)

飲んだ後の“チーズ酒器”をかじると、これもまたもちろんうまいので、おすすめ。このウイスキーがけチーズをツマミにウイスキーを飲みたいぐらいだ。

ということで、ここまでが前半の4位まで。カマンベールチーズがすでにかなりうまいので、上位にはさらに期待が集まるところだ。実験の様子は引き続き来週も「バッカスの選択」公式ツイッター https://twitter.com/c2h5ohjp でつぶやくので、チェックされたし。

しかし、「ウイスキーの酒器」といえば我らが「バッカスの選択」公式グッズ「ミズナラ枡」

普通にこっちで飲みながらちくわとコンビーフとチーズを食べる方が、やっぱりうまい……か。