「純米大吟醸50」でも十分素晴らしい!
最後は『獺祭 純米大吟醸50』。今回飲み比べる中では一番ポピュラー。
これも旨い。お味はこれまでのものとほぼ同じ。しかし一番尖りが出て感じられる。これは比較的はっきりしている。「2割3分」などと比較すると大分違っている。ただし、単品で出されたらわかるかどうか……。
これにあわせるのは、魚の煮付け。甘辛く煮付けられた魚だ。旨い! 出汁の塩梅がちょうどいい。で、お酒がその出汁と融合し旨さを演出する。
「2割3分」や「3割9分」は、酒と肴のペース配分でいうと<酒・酒・酒・肴・酒・酒・酒>という形で楽しみたいが、この「50」と煮付けは<酒・酒・肴・酒・酒・肴>ぐらいの感じだ。
『獺祭』の旨さに脱帽!
今回4種類の『獺祭』を飲み比べてみた。そのどれもが素晴らしかった。中でも印象が強かったのは、やはり「2割3分」。そして次に「スパークリング」。
「2割3分」はその究極のまろやかさに驚愕した。ここまでまろやかでスッキリした旨み・甘みのある日本酒は初めてであった。そして、「スパークリング」は『獺祭』の旨みが炭酸と共にはじけ、体中に染み渡った。炭酸好きの自分としては最高だったのである。いずれにしろ高価なお酒なので、そう度々はお目にかかれないだろう。
総じて言えるのは、このお酒は、肴にあわせるのもいいが、まずはお酒そのもののお味を楽しむのが一番なのだろう。<酒・酒・酒・肴・酒・酒・酒・肴……>しまいには<酒・酒・酒・酒・酒……>という具合にやるのがピッタリのお酒である。