味見する前に、まずは「ブラックニッカ ブレンダーズスピリット」のプロフィールをおさらいしておこう(酒を見るや秒速で口をつけていた頃からすると、ずいぶんと成長したものじゃないか)。
ブレンドする原酒にとにかくこだわりのあるウイスキーだ。初代のブラックニッカが発売された1956年に北海道・余市で蒸溜されたモルト原酒、1999年以前に西宮の工場にあったカフェ式蒸溜機で蒸溜されたグレーン原酒など、マニアックな希少原酒を一部使用している。61年の歴史の集大成となるにふさわしい仕上がりになっている。
ではうんちくもしっかりお伝えしたので、ここからは秒速で口をつけるとしよう。チビリ、チビチビ……。
やっぱりノーマルのブラックニッカに比べると味わいの熟成感が違う。まず感じられるのは甘さだ。バニラアイス系のわかりやすい甘さというよりは、濃厚なチョコレートのような、奥の方から時間差で出てくる甘さ。
ノーマルに比べると数段深くなるというのが「ブレンダーズスピリット」の特徴だろう。全体にフレッシュな若さ(裏を返せば“青さ”)がいい意味で抜けて、落ち着いた熟練感がまろやかに漂う。確かに限定感のあるテイストだ。
だが、「落ち着いた」「まろやか」ということであれば、我らがミズナラスティックもいい味を出す。では“棒熟成”バージョンのブラックニッカは、果たして「ブレンダーズスピリット」になれるのか?か?
禁断の(?)結果発表!