千葉県産のお酒が美味しいことはご存知ですか。県内には35の蔵が操業しています。(*2012年酒蔵名鑑/フルネット)
その中で成田の長命泉、松尾の梅一輪、勝浦の腰古井そして鴨川の寿萬亀を好ましく思います。それぞれ地元で飲むのが絶好の状態です。さらに仕込み水や近くの飲み屋さん水道でも、和み水(チェイサー)に飲めればさらにグッドです。
47都道府県の中で全国一最高地点の低い千葉県。外房の鴨川と内房の保田を結ぶ嶺岡地溝帯を中心に南北に膨らむ上総山地と嶺岡山地。標高408m、県内最高峰の愛宕山の麓、長狭地区で、寿萬亀(じゅまんがめ)は造られてきました。鴨川の海岸線より西へ12キロの山間部です。冬でも温暖な南房総にあって寒冷で、酒米の長狭米と、嶺岡山地の森の保水力によって生まれた鮮烈な湧水で越後杜氏が醸してきました。棚田百選の大山千枚田も近くです。この環境で造られた寿萬亀。柔らかい口当たりで大層飲みやすいです。
■亀田酒造本家
千葉県鴨川市仲329
http://jumangame.com/
夕方、館山での仕事が終わり、館山駅西口の館山渚銀座でお店を探しました。少々時間が浅いので、まだ、開いていないお店が多いのですが、寿萬亀の名前を見つけた「磯野家(イソノケ)」の行灯看板に灯が灯りました。同時にお店の引き戸が開き、セーター姿の女性が出てきて目が合ったので、吸い込まれるように暖簾をくぐりました。カウンターはなく、4~8人用に仕切られたテーブルと小上りがあるお店です。寿萬亀の純米酒をお燗でもらい、地だこの刺身などを頼みました。瑞みずみずしい地のだこでした。
しばらくしてご主人が日本酒ならと出してくれたのが岩ガキの自家製塩辛です。塩辛とはいえ岩ガキはしっとりとしていて、ミルキーで重厚な味です。軽やかな寿萬亀によく合いました。お陰で4合飲んで、スキスキの内房線でスヤスヤと家路に就きました。
■礒野家
千葉県館山市北条2550-23
http://r.gnavi.co.jp/924takha0000/