2016年も間もなく終わりを迎えます。皆さま、今年はどんな1年でしたか? 素敵なお酒との出会いはありましたか?
さて、今回の記事はお正月の前哨戦です。お正月といえば、おせち料理。通常であれば、おせち料理には日本酒や焼酎を合わせることが多いでしょう。かく言う私も、年末年始には日本酒をよく飲んでいました。そこで、ふと、ある考えに至ったのです。
「そういえば、洋酒とおせち料理をしっかりと合わせてみたことはなかったな……」
そういうわけで、今回は3つの洋酒とおせち料理の定番4品を合わせてみました。まず、おせち料理として欠かせない「お煮しめ」「紅白なます」「黒豆」「にしんの昆布巻き」を用意。
おせち料理に合わせる洋酒はこの3選手
それに、3つの洋酒を合わせてみます。「ブリュードッグ ブラックハマー」「マコン イジェ シャトー ロンドン 2013」「クライヌリッシュ14年」です。
まず1つ目は、「ブリュードッグ ブラックハマー」(写真左)。おせちにビールという人は多いと思いますが、これはブラックIPAです。IPAとは、インディアペールエールという種類のビールです。このビールは非常に苦味が強いのですが、その分、ボディの厚みとコクも豊かで、通常のピルスナーなどのビールとは一線を画する味わいの深いビールです。
【ブリュードッグ ブラックハマー】
[種類]IPA(インディアペールエール)
[原産地]スコットランド
[アルコール度数]7.2%
2つ目は、「マコン イジェ シャトー ロンドン 2013」(写真中央)。フランスのブルゴーニュ地方の白ワインです。きりりとしたミネラル感と、鋭い酸味が特徴的な味わいです。樽のニュアンスもそれほど強くなく、フレッシュで硬質な味わいとなっています。
【マコン イジェ シャトー ロンドン 2013】
[原産地]フランス ブルゴーニュ マコン
[品種]シャルドネ
[アルコール度数]12.5%
3つ目は、「クライヌリッシュ14年」(写真右)。クライヌリッシュはスコットランドのハイランド地方にある蒸留所です。アプリコット、ハチミツ、蝋を感じさせるドライでスパイシーな味わいで、決して甘すぎず、決して個性的すぎない。どんな場面にも合うシングルモルトウイスキーです。
【クライヌリッシュ14年】
[原産地]スコットランド ハイランド地方
[アルコール度数も]46%
それが合うんだ!? 気になるカップリング結果
さて、これら3つの洋酒とおせち料理は合うのでしょうか。まず、ブリュードッグですが、とても骨太なボディを持つため、すべてのおせち料理に対して負けません。特に、にしんの昆布巻きとの相性は抜群です。
昆布の旨味とにしんの苦味を、グッと包み込んで、喉に流し込んでくれるイメージです。また、紅白なますの強い酸味もしっかりと受け止めてくれます。
次に、マコンのワインですが、強い酸味とミネラルをよく含んだ繊細なボディを持つため、にしんの昆布巻きの苦味とは決して相性が良いとは言えないと感じました。しかし、その半面、紅白なますと黒豆との相性は抜群です。紅白なますとは酸味で通じ合うので、相性の良さも想像しやすいと思います。
しかし、黒豆は意外でした。マコンのワインの強い酸味を、黒豆のほろ甘さが和らげてくれるんですね。
最後に、クライヌリッシュですが、風味が強すぎるため、お煮しめの良さは消えてしまいます。しかし、にしんの昆布巻きと黒豆との相性は良いと感じました。にしんの昆布巻きの苦味と、クライヌリッシュのスパイシーさは実に大人の味わいです。そして、ウイスキーはチョコレートに合うことからもわかるように、黒豆の甘さも実にクライヌリッシュとマッチしてくれました。
いかがだったでしょうか? 今回は、おせち料理と普段は合わせないようなお酒を合わせてみました。おせち料理は品目が多いため、特殊なお酒であっても意外と合うものがありました。
今年はぜひ、日本酒や焼酎だけでなく、ご自分の大好きなお酒を積極的におせち料理に合わせてみてください。今までにないお正月を楽しむことができるかもしれません! では、良いお年をお迎えくださいませ。