磯度+10! 肝と食べるつぶ貝刺しがたまらない

肝と食べると最高のつぶ貝

この居酒屋に来るとよく頼むのが貝類である。子どものころはそんなに好きではなかった貝類だが、30歳を越えたあたりから、俄然、貝好きになった。寿司ネタも貝を好むようになったほどだ。

メニューの下段には、その日のおすすめが張り出されており、仕入れ状況によって変わってくる。そこに、お目当ての貝類のつまみ「つぶ貝刺し」があったので迷わず注文した。貝類のメニューはバイ貝煮、つぶ貝刺しなどがあるが、どちらも遅い時間に行くと終わってしまっていることも多い人気の品である。

貝類のつまみ「つぶ貝刺し」

こりこりとした食感がたまらないつぶ貝だが、この店のそれには、あるひと工夫がされている。さっと茹でた肝が添えられているのだ。最強の脇役だろう。どこの店でもやっているわけではない。新鮮なつぶ貝が手に入る店だからこそ可能なひと工夫と言える。

その肝を一緒に食べると、やや甘味のある貝に苦味が加わり、磯の風味が一気にジャンプ・アップする。口の中の“コク”が消えないうちに酒を流し込むと、ワサビの辛味と肝の苦みに、「雪の茅舎」の甘味が加わる。瀬戸大橋の渦潮のごとく、辛味、苦味、甘味が口の中を渦巻く。磯風味の度合いを日本酒度にならって表すと、磯度+10といったところか。10点満点中10点。文句なく満点だ。

貝類のつまみ「つぶ貝刺し」の肝

バリバリ、ホクホクのあの唐揚げ