とにかくおいしい日本酒と魚が食べたいなら飯田橋「鶴日和」

昼間、こってり系のラーメンを食べたからか、夜は魚と日本酒で胃を労いたい。そこで向かったのが、魚料理と日本酒が楽しめる居酒屋「鶴日和」だ。「日本酒が好きなら」と、知り合いから教えられたお店である。JR飯田橋駅で降り、改札を出ると早稲田通りを左に。登り坂を九段下方面へ3分ほど歩くと商店街っぽい街並みになる。2つ目の交差点を左に曲がったすぐ左手に鶴日和の置き看板が見え、そばの階段を下りた地下にお店があった。

都内ではあまり見かけない「原田」

魚がおいしいと聞いていたので、中に入るとさっそく刺身の盛り合わせを注文。日本酒は店長におすすめを聞いた。出てきたのは山口県周南市の酒蔵がつくる「原田」で、少量仕込みで希少価値が高く、都内の居酒屋で見かけることは稀という逸品だ。グラスに口を近づけると、フルーティーな香りが。こぼさないよう、すするように飲む。日本酒度は+3ということで、やわらかい飲み口だ。女性でも飲みやすいだろう。

店長おすすめのネタがさばかれた刺身の盛り合わせは、日本各地で獲れた魚が全部で9種類盛られた。中でも宇和島で獲れたブリは油が乗っていて、刺身の表面がてりってり。刺身醤油に付けて口に運ぶと、わさびのツンとした刺激が合図だったかのように口の中でとろけていく。すぐに原田を口にすると、すっきりした飲み口のそれとブリが見事にマッチして、思わず笑顔になってしまった。

日本酒で「竹鶴」!?

日本酒で「竹鶴」!?

ひとしきり新鮮な魚を堪能した後は、この日はやや肌寒かったこともあり、熱燗を注文した。店長にお任せしたところ出てきたのが「竹鶴」である。竹鶴と聞くと、ウイスキーを思い浮かべる向きも多いだろう。何か関連があるのかと店長に聞いてみると、この日本酒は広島の竹鶴酒造のお酒で、竹鶴酒造はニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の生家だそうだ。

燗にするのは辛口がいいと言われるが、竹鶴は広島県産の米である「雄町」を100%使用した日本酒度+7の辛口だ。白いおちょこにそそぐと、ほのかに色がついているのがわかる。透き通ったウイスキーのような琥珀色がなんとも美しく、ぐいっと飲んでみたい衝動にかられる。

衝動を抑え、熱燗にすることでさらにシャープになった竹鶴に何を合わせるか、おすすめメニューの看板を眺める。熱燗にお似合いのブリ大根を指名した。刺身でおいしいブリは煮てもおいしいはず。そんな予想がまさに的中した。味の染み渡ったブリと辛口の竹鶴のマッチングが、おいしくないわけがない。

竹鶴とブリ大根、口の中でどんな味わいになるのか? 「百考は一行に如かず」である。気になる方はぜひ一度、この店で試してみるといいだろう。

鶴日和
住所:東京都千代田区富士見2-3-8 長柄ビル B1F
電話:03-3221-7072
http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13102755/