インターネットが普及し、世界中のだれとでも簡単にコミュニケーションが取れるようになった現在においても、我々はまだ海外の人々の暮らしなどについて知らないことが多い。
たとえば、食習慣がそうだ。その国では当たり前のように食べられている食事が、日本ではまったく知られていない、あるいは食べ方がまったく異なるということもしばしばある。
そんな事柄を、今回訪れた大阪市東三国のドイツ料理専門店『ガストハウス44 東三国店』で実感することができた。
住宅街の中に隠れ家のごとく
場所は御堂筋線東三国駅から歩いて4~5分、住宅街に少々入ったところ。集合住宅の中にあるので、事前知識がないと少々迷ってしまうかもしれない。場所は事前にチェックしておこう。
中に入ると、ちょっとした古民家のような雰囲気。眩しすぎず、暖かな照明が嬉しい。座席も大きめなので、腰を落ち着けてゆったりとくつろぐことができる。
世界で人気のドイツビールが大集合
この店の自慢は、なんといってもドイツのお酒とその料理。特にビールは15種類以上の銘柄を楽しむことができる。
ちなみに画像の品は、左から「シュレンケルラ・ラオホビア メルツエン」「シュナイダー・ヴァイセ アヴェンティヌス」「マイセルズ ヴァイス」「エルディンガー・ヴァイスビア」いずれも日本においてはメジャーではないが、本国ドイツにおいては古くから親しまれている歴史あるビールたちだ。
今回はその中から「シュナイダー・ヴァイセ アヴェンティヌス」をセレクト。やや黒味がかったブラウンな色の通り、ビターチョコのようなほろ苦い味わい。このビールを生み出したシュナイダー社は1872年より続く老舗中の老舗であり、こだわりの素材によって作られたその品の数々は世界中のビールマニアから愛されているという。
ボリューミーな本場仕込みのソーセージ
このビールに合う料理として、「自家製ソーセージ2種盛り」をセレクトしてもらった。
茶色のバジルソーセージと灰色の煮ソーセージの2本なのだが、この太さがすごい。成人男性の親指約2本分はあるだろうか。名前にもある通り、このソーセージは店での手作り。腸に詰めて形作りをするまで、しっかりと丹念に下ごしらえがなされている。
下に敷かれているのは「ザウワークラウト」というドイツの漬物。一見ピクルスのように思えるが、酢は使わない。刻んで火を通した後、桶の中にハーブ類と漬け込み、自然発酵させて作る。一般的なドイツの家庭料理であり、家々ごとに「おふくろのレシピ」的なものがあるようだ。
まずはバジルソーセージを一口。意外と肉汁は少ないが、その分ひきしまった味がして、純粋に肉を楽しむことができる。
それに対して煮ソーセージはやや汁気があり、スープ肉のような味わい。食べるときは画像のように縦に切れ目をいれ、薄皮をはがすようにして食べる。
この2つがまた、アヴェンティヌスと非常によく合っている。ほろ苦のビールにソーセージが合うというのは少々意外だが、その肉味がアヴェンティヌスの心地よい味わいをいい塩梅に引き立ててくれるのだ。
ちなみにドイツソーセージというと、ディナーの際ビールのおつまみとして食すイメージがある。だが本場ドイツでは、ちょうど日本のファーストフードのごとく歩きながらお手軽なランチとして食べるのが一般的らしい。もちろんそのときは、お酒も一緒にいただくそうだ。
さらに、ドイツの家庭料理をもう一品
今回は、このガストハウス44で食べられる本格的ドイツ料理をもう一品ご紹介。
これは「ケーゼ・シュペッツレ」、簡単に言えば卵と小麦、水で作られた「ドイツ風手打ちパスタ」といったところ。イタリアの「スパゲッティ」より短めだがその分コシが太く、味がはっきりしている。比較的お手軽に作れるので、先ほどのザウワークラウトと同じくドイツにおいては家庭料理の一つとして知られており、これまた多様なレシピがある。
今回食べたのはポピュラーなクリームとチーズを和えたもの。しっかりとした歯ごたえにチーズのコクが効いて、いい味。パリッとしたコゲ目も嬉しい。この香ばしさがアヴェンティヌスともいいコンビだ。
ガストハウス44では宿泊も可能!ドイツ料理のついでに宿泊も!
以上、大阪・東三国のドイツ料理専門店『ガストハウス44 東三国店』をご紹介したが、実はここ、レストランだけでなく宿泊可能なゲストハウスにもなっている。
木造の室内は風通しもよく、エアコンやシャワールーム、無料Wi-Fiなども完備されているので、下手なビジネスホテルよりも快適だ。おまけに、ドミトリールームが最安値2800円というお手頃価格。いわゆる「ミナミ」からも電車で十数分なので、大阪への旅行の際はかなり重宝するだろう。
本格的なドイツ料理とビールが楽しめ、おまけに宿泊も可能と至れり尽くせりな『ガストハウス44 東三国店』、是非。