日が暮れるのもすっかりと早くなり、長い夜を楽しむ季節がやってきましたね。そうです。それは酒を楽しむ季節がやってきたということ。夏の名残りを楽しみながら秋の足音に耳を澄ます。そんな夜には味わい深い酒と、繊細な風情の肴でしっぽりとお月見でもいかがですか。
口に含んだ瞬間「味わい深ぇ!」と大声をあげてしまいました。隣の部屋の人も驚いたのではないでしょうか? まるで食漫画のような独り言に自分が一番驚きましたからね。
商品には「Calypso IPA」とあります。希少なカリプソホップ由来の華やかな香りと、しっかりとした苦味が楽しめるIPA(インディア・ペールエール)。この香ばしさ、苦み、フルーツ香と複雑な味わいのバランス、完成度はおそらく市販されているIPAの中でも最高峰なのでは?と直感しました。
こんな独り言まで言わされてはずかしめを受けた以上、勿体無いなんて言っていられない! 2週間かけてジックリと発酵させた、とっておきの【塩こうじ】をついに解禁。
作り方は簡単。市販されている甘こうじに、裏面の指示通り塩と水を入れて混ぜるだけ。ただ夏場で1週間、冬場で約2週間と毎日かき混ぜてこうじを発酵させるのです。
2週間前から料理の下ごしらえって、家庭では中々やらないですよね。ですが、ぜひ試してみて欲しい! この発酵した味わい深さでつくる料理は、ちょっと他とは比べられないレベルです。おそらく隣の部屋の人を驚かせてしまうような、説明めいた独り言をシャウトしてしまう事でしょう。
要はこの食材、生きているのです。味わい深さの謎がそこにある。
今回は最近お気に入りの「鶏胸肉の塩こうじ漬け焼き」をつくる事にしました!
まずは肉の真ん中に切れ目を入れて、
切れ目から左右に包丁を入れて開きます。
次に包丁の裏側、刃側じゃない方で肉を軽く叩いて均等な厚みにします。(大体で可。焼くときに焼きムラが少なくなる)
両面にタップリと塩こうじを塗りこんで、
丸 1日冷蔵庫で寝かします。
半日版も試しましたが、やはり味が沁みわたるには丸1日の時間が必要でした。お月見しながらの宴を楽しみに待ちましょう!
もうお肉の下味はバッチリですね! 魚焼き器でジックリ焼いたら、
冷水で水洗いしたお蕎麦の上へ丸ごとドーン!
お好みでネギや塩コンブや紅ショウガを散らして、冷たい麺つゆを上からドバー!
個人的にはぶっかけ蕎麦が一番オススメしたいお蕎麦の食べ方です。汁に浸った冷たいお蕎麦と、後を引く繊細な味わい深さの「塩こうじ鶏肉」が絶妙に絡み合って、お箸が止まらなくなること間違いなし!
そこへ「十六夜の月」のあの複雑で完璧なバランスを流し込んでみて下さい……、もう訳が分かりませんね。お口の中が味わいだらけで大変なことになっているのに、ケンカはしていない。思いつきで合わせた両者が、幸せな化学反応を起こしました。
月のうさぎも踊りだす。そんな秋の夜長には、美味しいお月見をしてみませんか。