黒ビールよりも濃い!?シュバルツビア
ドイツも10度を下回る日が続き、いよいよ冬本番。景色も閑散とし、夏のころの賑わいが徐々になくなり、ヨーロッパ本来の冬の姿がうかがえます。外出するのも億劫なそんな寒い日には、自宅でほっこりと晩酌するのがベストです。
ドイツには「ドゥンケルビア」と「シュバルツビア」という、日本でいう黒ビールがあります。「ドゥンケル(Dunkel)」とはドイツ語で“濃い”や“暗い”という意味があり、茶色がかったビールをこのように呼びます。一般的なピルスナーよりも濃い色をした下面発酵されたビールのことを指します。ほんのり香ばしさを感じるテイストは、見た目によらずさっぱりしているので、ビール初心者にも飲みやすいものです。
それに比べ「シュバルツ(Schwarz)」とはドイツ語で“黒”という意味で、言葉通りしっかりとした濃い黒色のビールのことを指します。チョコレートやカラメルのようなこっくりとした重みのある味わいのこのビールは、寒い冬にはぴったりの味わいになっています。
詩人・ゲーテが愛した老舗ビール、ケストリッツァーの「シュバルツビア」
ドイツの有名な詩人、ゲーテがこよなく愛したといわれているケストリッツァーの「シュバルツビア」。ドイツ東部ザクセン州・ライプツィヒの南東に位置するバートケストリッツ村で1543年に創業した老舗の醸造所が手掛けています。
この「シュバルツビア」は、ビターチョコレートを思わせるような芳醇でリッチなまろやかな味わいが特徴の黒ビールです。冷やしてすっきりと飲むよりも、常温でゆっくりと味わいながら飲むのがおすすめ。アルコール度数はストロングな見た目によらず4.8%で低めです。
リッチな味わいのビールには心も体も温まるグラーシュとともに。
ドイツの他ハンガリーやオーストリアなど中欧で親しまれている伝統的な家庭の煮込み料理に「グラーシュ」というものがあります。
<材料>(2人用)
牛肉(カレー・シチュー用)……100~150グラム
たまねぎ……1/2
トマト……1/2
じゃがいも……1/2
生クリーム……少々(お好みで調整)
固形のコンソメ……1/2ブロック
パプリカパウダー……適量
※材料はあくまでも目安なのでお好みで量を整えてください。
<作り方>
1. みじん切りにしたたまねぎ、一口サイズに切り分けたじゃがいも、粗みじんにしたトマト、牛肉を鍋でよく炒めます。
2. そこに水と固形のコンソメを加え煮込みます。
3. 野菜とお肉が和らなくなったら最後に生クリームを加え、もうひと煮立ちしたら完成です。
ほんのりビターで豊かな風味の「シュバルツビア」と、クリームでまろやかに仕上げた「グラーシュ」の相性は抜群です。これからますます寒さが厳しくなる日本でも、このほっこりとした組み合わせの味をぜひ試してみてください。