トリュフカルボナーラ VS 仕事のできるフランスの白
続いてご入場いただいたのは「トリュフカルボナーラ」。「トリュフ」も「カルボナーラ」もわかるけど「トリュフカルボナーラ」って何だ?パスタか?と思ったらメニューに「パスタじゃないです」と先回りしてメモが書いてあった。じゃあ何なんだ?
これなんだな。
カルボナーラソースの海に香り高くたゆたうトリュフの舟。沈んでいて見えないが中に温泉タマゴが潜んでいて、それを崩していただく。……想像したまえ。その先にどんな出来事が口の中で起こるかを。どうだね。想像だけで酒が一杯飲めそうだろう。
これに合わせたワインは、「リムー・ブラン・ペイルジャック」。
シャルドネがベースのフランスの白。料理が濃そうなのでそろそろ赤?と思った方もいるかもしれないが、ノンノンノン、この白ワインが正解。なにより白特有のスキッとした華やかな香りがあるのがいい。
というのも、この華やかさ、トリュフが放つ香りの華やかさと素晴らしく響き合うのだ。たぶん赤だとトリュフを「受け止める」感じになって「響き合い」にはならない。
しかしただフワフワと華やかなだけではないのがこのワインのいいところで、口に入れてみると思いのほか「冴えている」というのか「芯がしっかりしている」というのか(ワイン用語でいう「ミネラリー」ってこういうことなんだろうか)、つまり軽々しくない。
なので、トリュフのもったり感やカルボナーラのまったり感を向こうに回しても、一歩も引かずにわたり合える。強めに効いている胡椒のピリリ感が乗っかってきても、なんら動じない。それでいてトリュフの甘さだけはきちんと引き出してくるという、とんでもなくいい仕事をする「リムー・ブラン・ペイルジャック」。グッジョブ。
フランス産シャラン鴨 VS タンニンのルージュ先生