“ハイランド”信州で産み出されるマルスウイスキー「ツインアルプス」と体思いのお漬物

スキットルに詰め替えて山で飲みたい「ツインアルプス」

マルスウイスキーは、鹿児島の焼酎メーカー本坊酒造が長野県の駒ケ岳山麓にもつ蒸留所で造っています。50年前から山梨でモルトを造り始め、“ハイランド”信州の中央アルプス駒ケ岳山麓、標高798mに位置する信州マルス蒸留所に移転してからは30年が経過。モルトが熟成してきました。

西に中央アルプスを仰ぎ、東に南アルプス望む蒸留所のポジショニングが「ツインアルプス」の命名のいわれです。ボトルの上部と下部に山の稜線がデザインされています。上部は中央アルプス、下部は南アルプスで、蒸留所を囲む山々です。この稜線の凹凸がボトルを持つ手にフィットします。また、紺色の台紙のラベルには雪を被ったツインアルプスの絵とシンプルな金文字があしらわれ、伝統あるスコッチウイスキーのラベルのようで素敵です。

アルコール40度の「ツインアルプス」はモルトとグレーンを合わせたブレンデッドウイスキーです。蒸留所の地下120mよりくみ上げた鮮烈な水で仕上げられた、どっしりとした味わいのウイスキーです。スキットルに詰め替えて、山で飲みたいですね。大手国産ウイスキーメーカーに比べれば限られた生産量ですが、それだけに“マイウイスキー”感があって、うれしいです。

「ツインアルプス」を味わうには、水割りやハイボールまたストレートでなく、常温の水を1対1で加える「トワイス・アップ」がおススメです。ふくよかな香りが増します。とは言うものの、喉が渇いた時のハイボールも捨てがたいです。でもジョッキでは品がありません。薄い8オンスのコリンズグラスあたりがグッドです。ウイスキーに限ることではありませんが、酒を味わうことは心を豊かにしてくれますね。

■信州マルス蒸留所 長野県上伊那郡宮田村4752-31

http://www.hombo.co.jp/marswhisky/
日経電子版によれば、本坊酒造は鹿児島県内に日本最南端のウイスキー蒸留所を造ることを発表しました。異なった風土で原酒を造れば味のバリエーションができるとのことです。やはり30年後でしょうか、熟成した原酒を飲めるのは。(出典:http://www.nikkei.com/article/DGXLASJC04H4H_Q6A210C1LX0000/

体のことを考えて、アテは長野特産野沢菜漬けと千葉特産はぐらうり浅漬け

体のことを考えて、アテは長野特産野沢菜漬けと千葉特産はぐらうり浅漬け

体のことを気にするならば、アルコールをとらないのが一番ですが、世の中そんなに単純ではありません。普段バーで飲む際には、先付けに手を出すか出さないかというくらいで、おつまみを頼むことはないのですが、長野産の「ツインアルプス」と一緒に敢えて口にするとしたら、野沢菜漬けが良さそうです。ついでに、千葉産のはぐらうりも体にいいです。

<長野県産の野沢菜>

長野県の北信地方、野沢温泉村で作られたことからその名が付いた野沢菜。「野沢菜漬け」の原料となります。信州菜ともいわれ、野沢温泉村以外でもお隣の新潟県などで栽培されています。冬の間、雪の多い長野では作れないので、その間は徳島県が主な産地となり、冬期の漬物に使われる80~90%が徳島県産と言われています。全日本漬物協同組合のサイトによれば、日本三大漬け菜は「広島菜」「高菜」、そして「野沢菜」です。中でも野沢菜はビタミンやβカロテンが多く含まれ、漬物になっても多く残っていて、特にβカロテンは活性酸素を抑え、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病リスクを抑える働きがあると言われます。
(出典:全日本漬物協同組合 http://www.tsukemono-japan.org/pickle_manufacture/

手前が野沢菜漬け、奥がはぐらうり浅漬け

<千葉県産のはぐらうり浅漬け>

千葉名産のはぐらうり。白うりの仲間です。外側は鮮やかな緑色で、果肉は内側に向かって徐々に白くなってゆきます。実は柔らかく浅漬けがもっとも向いています。歯のグラグラした人でも食べられるから「はぐらうり」とは、まゆつばものです。成田では奈良漬け、鉄砲漬けなども人気で、それらも「ツインアルプス」に合いそうです。はぐらうりはカリウムを多く含み、ナトリウムを排出して血圧の上昇を抑制する作用があり、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化などの予防に効能があると言われます。とは言え、漬物にすれば塩分を加えることになります。あまり美味しいからと言って食べすぎたり、重ねて醤油をかけたりするのは、ちょっと控えた方がいいかもしれませんね。

「ツインアルプス」が山のようにどっしりとした味わいだけに、漬物のあっさりとした塩気は適度なアクセントになってなかなかよくマッチします。ほんのりシンプルな風味なので、ウイスキーのふくよかな香りが邪魔されることもありません。「いつもはつまみ無しでウイスキーだけを楽しむ」派の人にも、これならおススメできるかもしれませんね。体にいいことがあるかもしれませんし。