第1位「赤ワイン」
酒ディップの難しさは何といっても肉と酒の接触時間が短いことで、ラム酒やウイスキーはその時間の短さにやられて本来の力を出し切れなかった感じもある。肉の旨味といかに早く馴染むかが勝負の分かれ目であるが、その点で一番のスピードを見せつけたのがこの赤ワインだった。
ちょちょいと浸して口に放り込んだ瞬間から、もうワインは酒であることを止めて、味付けに徹している。この割り切りの早さが素晴らしい。某ファストフード店の何てことないチキンナゲットと、ペットボトルで売っているような何てことない赤ワインなのだが、一緒に噛みしめていると肉のレベルがちょっと上がった感じがする。
赤ワインがおそらく“擬似肉汁”となり、旨味が増幅され、肉も柔らかくなったように感じられるのではないか。肉と一体化するのがなんせ早いので、最初からそういう“いい肉”だったんじゃないかという心地良い錯覚をもたらしてくれる。他の4つの酒にはなかった感覚だ。おでこのテカリも忘れてがっついてしまった。
ということで、チキンナゲットの「酒ディップ」実験は以上。特に1位2位はなかなかの出来なので、パーリーピーポーもぼっちの人もぜひ試してみてほしい。そしてこの不毛な実験はまだまだ続く(らしい)。また次回まで、ごきげんよう。