そんでもって最後の3本目、「コスタネラ シャルドネ」。こちらは南米チリ産。やはりイオン系スーパーで入手。そして「シャルドネ」はブドウの品種名ね。
グラスに注ぐとやや黄色味がかっているのが特徴。スペインの「ヴェラタ」ではちょっと控え目だった太陽ギラギラ感が、この「コスタネラ」ではパキッと出ているらしい。「これは柑橘のニュアンスが割と強く感じられます。もっと言うとパイナップルとか、パッションフルーツとか、トロピカルな明るさも見え隠れする感じですね」シャルドネは一般には辛口で知られるが、同じ品種でも生育地によって違った性格を示すことがあるという。中でも南半球のものは、やや酸味に寄った柑橘的な風味が強く出たりするのだとか。
「ボディもしっかりしていますし、飲み込んだ後にはアルコール感がフワリと残ります。全体として線の太さというか、はっきりしたキャラクターを持っているので、白ワインですが肉料理にも負けないと思いますよ」とはいえ重厚すぎるメニューにはやっぱり少々押されるということで、藤牧氏セレクトは……「鶏むね肉のサラダあたりがベストじゃないかと。調理済み(細かく裂いてサラダに混ぜるだけで完成)のチキンがよくコンビニやスーパーにあるので、このワインを買うときに一緒にゲットできますし。ハーブで味付けしてあるチキンなんて最高に合うはずですよ」
……ということで、2回にわたってお届けした「もしもソムリエがワンコインワインを寸評したら」シリーズ、いかがであったろうか。500円以下と侮るなかれ、それぞれに個性と見どころ(飲みどころ?)のある7本だった。ワインの入門編としても、気軽な家飲み用としても、さらにペットボトルタイプならこれから夏にかけてのアウトドアシーンでも重宝しそうだし、スプリッツァー(炭酸割り)のようにアレンジをしても楽しめる。諸君もお気に入りの一本を見つけたいなら、早速500円玉を握りしめてスーパー・コンビニの酒類コーナーへGOだ。
……そして、クドいことにこの企画には延長戦があり、実は我らが「バッカスの選択」スピンオフ商品「ミズナラスティック」で“棒熟成”させたウイスキーもソムリエさんに試してもらった。そう、編集部による藤牧氏の拘束はまだ終わらないのである。延長戦の模様は次回記事にて詳しく!