【コンビニおでんのツマミとしての素質は?】セブンイレブンのおでんをアテに、日本酒「八海山」「賀茂鶴」をやってみた。

寒くなればなるほどおいしくなる食べ物はいくつかありますが、なかでもおでんは特別です。編集部より「おでんと日本酒で書いて!」というリクエストがあり、意気揚々とコンビニへ向かいました。

ところが一軒目のローソンでは、大根、こんにゃく、すじ肉が売り切れ。二軒目のファミリーマート、三軒目のセブンイレブンも同様。なので諦めて、それ以外のものをセブンで購入しました。

ちょっと寒くなってきただけで、この人気おでんダネ競争率……侮れません。

そんな事情で、主役級を欠いた「セブンのコンビニおでん×日本酒」のカップリングです。ついでなので、お酒もセブンイレブンで売っているものからチョイス。肌寒いとはいえそこまででもなかったので、冷蔵で売られていた「八海山 名聲布四海」と「賀茂鶴 生囲い 氷点貯蔵」を購入しました。

八海山×(厚揚げ+玉子+ソーセージ+ウインナー天)

八海山×(厚揚げ+玉子+ソーセージ+ウインナー天)

まずは八海山。口に含んだとたん麹の甘みが広がります。日本酒にはふさわしくない言い方かもしれませんが、「味が濃い」印象。強い甘味をもちながら雑味がなく、後味は爽やかな辛口です。

いきなり閑話ですが、おでんのだしと日本酒を等量で割って飲むとめちゃくちゃ美味しいです。ただ、席をともにした家人の前でやるのも憚られたので、今回はなし。そのかわり、だしを啜りながらやりました。うーん、この旨味のつまった塩気がたまらん。

厚揚げから食べてみました。

うん、おいしい。

これはすごく難しい問題だと思うのですが、おでんのタネは「煮るほどうまくなるもの」と「ほどほどにしておくと良いもの」の二者に分類されると思われます。個人的には、厚揚げは後者。皮のむっちりとした食感と中身の豆腐のハリを考えると、あんまり煮込みすぎない方が好きです。

そういうわけで、まだ「若い」感じの厚揚げを選びましたが、大当たりでした。

おつぎは玉子。これはとても美味しかったです。

低めの温度でじっくり暖めるからか、炊きすぎたときのようなぼそぼそとした食感ではなく、黄身がしっとりとなめらかで、味もよく染みていました。日本酒が止まらない。ところで、写真のタネが半分なのは、メモをしている私を尻目に、家人が箸でタネを割っては食べていたからです。

好みの話になりますが、ソーセージは皮が固いほうが好きです。噛んだときに皮がはじける食感がたまりません。で、こいつはおでんのタネとしてはどうなのか? 食べてみてわかったのは、中身の肉に味を染みこませるためか、そんなに固いものではありません。ただ、出汁で食べる肉というのも中々おつなもので、味もよく染みていて、かなり満足できました。こちらの好みを変えてきますね、コンビニおでん。

ごぼ天や! と思ってたら、中身はウインナーでした。(大阪ではごぼう入りのちくわを「ごぼ天」と言います。)まさかのソーセージ二連発です。ただ、こちらはちくわの部分にガードされるためか、中身のウインナーがしっかりとした食感を残していて、なかなかおいしい。あっというまに平らげます。

賀茂鶴×(つくね+だし巻き+ロールキャベツ)

賀茂鶴×(つくね+だし巻き+ロールキャベツ)

このあたりで「賀茂鶴 生囲い 氷点貯蔵」に進みます。八海山とは対照的に、さらっとした口当たりで、あとから辛口の風味がやってくるタイプ。飲みやすさはこちらに軍配があがり、すいすいと入ってしまいます。ただし、おでんとの相性という点では、八海山のほうが出汁のうまみをしっかりと受け止めている印象。うーん、甲乙つけがたいですね。

おでんに入ったつくねは初めて見ました。おでんに投入するタネには地域差があるはずで、これは筆者が住んでいる大阪では中々見ないものです。付属の芥子と味噌だれをつけていただくと、これが中々おいしい。ソーセージよりもダイレクトに肉の味と出汁が絡まり、そこにからしと味噌だれがいいアクセントに。このからしと味噌だれが非常においしくて、箸の先で舐めながら日本酒を飲みはじめる始末でした。

これもはじめて食べるタネです。家庭でやるときは、だし巻きを作っておでんに入れるなんてことはなかなかありません。だし巻きに入っている出汁とおでんの出汁って、別ものなのだろうか? 出汁×出汁の強烈なコラボです。食べてみると、ふわふわのだし巻きが煮込まれることでさらにふわふわに。玉子と出汁の組み合わせも最高で、これはかなりのおすすめです。

じつは、ロールキャベツは自分でおでんを作るときに入れてみたことがあります。味は抜群なのですが、煮込みが足りないと、キャベツの筋が残って食べにくい。コンビニのこれはどうなのかなと思って食べてみましたが、箸でほぐれるほど柔らかく、出汁をたっぷり吸っていて、日本酒とよく合います。肉の味もいいですね。というか、おでんなのにチョイスが肉ばっかりじゃないか?

新たな発見と次回の課題?も

新たな発見と次回の課題?も

そんなわけで、おでん×日本酒のご紹介でした。大根、こんにゃくなどの主役を欠いていたとはいえ、各人ともかなりの奮闘を見せてくれ、かなり満足できました。そもそも出汁が非常においしく、これだけでお酒が飲めてしまうレベルです。

おもしろかったのは、付属の調味料の小袋が四種類もあったこと。セブンイレブンで見かけたのは、醤油だれ+すり生姜、味噌だれ、からし、ゆず胡椒。お好みのものをつけてもいいですし、いろんな味を試すのも良い感じです。気になるのは、地域によって出汁の味付けを変えていたりするのだろうか、というところ。こんど遠出するとき、試してみることにします。