北海道旭川市は、かつて酒造業の栄えたまち。いまも三つの蔵元が、大雪山系の水を仕込みに使い、伝統の技で日本酒を造っています。「大雪乃蔵」で知られる「合同酒精株式会社」、圧倒的な知名度を誇る「男山」を造っている「男山株式会社」、そして「国士無双」で全国に名を馳せる「髙砂酒造株式会社」。その三つの蔵元の清酒を楽しめるのが「あさひかわ蔵めぐり」(300㎖3本セット)です。
せっかくだから、全て呑んでみたいと思うのが人情。でも、一升瓶もしくは四合瓶を3本もぶらさげては歩けない。300㎖3本というサイズ感は、おみやげにぴったりです。ぴったりすぎて、先日の旭川出張の帰り道、つい手が伸びてしまいました。
JR旭川駅から徒歩15分ほどの場所に、キッコーニホン(日本醤油工業株式会社)という会社があります。醤油製造業を営む会社です。明治23(1890)年に創業した笠原酒造店がルーツ。昭和19(1944)年、政府の指導によって酒造りから醤油造りへと転換したのだとか。
かつての蔵を利用した直売店には、醤油をはじめとしてさまざまな商品が並んでいます。そのなかに、「しじみ甘露煮(佃煮)」を発見! ごはんがさぞかしすすむことでしょう。もちろんつい手が伸びてしまうというもの。
「あさひかわ蔵めぐり」に入っている男山の1本は、特別純米生貯蔵酒「くーる」。ちょっと調べてみましたが、名前の由来はわかりません。ラベルに「冷やしてお飲みください」とあるので、冷やに適しているからでしょうか。クールな飲み口だからでしょうか。わかりませんが、香りも味もすっきり。軽やかで呑みやすい。
「お酒は良たんぱく質とともに」をモットーとしている私は、「しじみ甘露煮(佃煮)」を開けました。日本酒と合わないわけがないだろう…と思いながら。見た目とは違い、それほど濃い味ではありません。生姜と山椒が効いて、さわやか。ごはんもお酒もすすみそうです。
特別純米生貯蔵酒「くーる」とキッコーニホン「しじみ甘露煮(佃煮)」の相性は、なかなか想像以上のものでした。少しピリリと来るしじみを食べたあとに「くーる」を呑むと、こちらもやや辛みが増すようで、よりクールな感じがします。
合わせる肴による味の変化も、日本酒の魅力の一つ。もう少し、いろいろと追求してみたいものです。次は、何と一緒に呑んでみましょうか。
●特別純米生貯蔵酒「くーる」(男山)
日本酒度/+4、アルコール度数/13度(公式サイト:http://www.otokoyama.com/index2.htmlより)
●「しじみ甘露煮(佃煮)」(日本醤油工業)