いつもお世話になっており枡。編集長Dです。「バッカスの選択」」公式スピンオフ商品、我らがウイスキー専用酒器「ミズナラ枡」。クラウドファンディングが終了し、な、な、なんと! 目標金額の569%(!)もの出資をいただきました! 御礼申し上げ枡!
そしてクラウドファンディングサイト「Makuake」での募集は終了しましたが、「ミズナラ枡」の情報発信は引き続きこちら「バッカスの選択」で行っていきますよ!
ということで本日も水曜日恒例、「ま」いしゅう「す」いようびは「枡の日」の「ミズナラ枡」記事を発信し枡。
これまでジャパニーズウイスキーとスコッチ・シングルモルトの計6本で飲み比べをしてきましたが、今回はより“お値打ち感”のある大衆系のウイスキー3本で検証。コンビニやスーパーでも容易に手に入るリーズナブル・ボトルたちが、「ミズナラ枡」でどう変わるのか? 味・香り・キャラのアップグレードはあり得るのか? その傾向を考察します。
ご登場いただくのはこのお三方。
右から「ブラックニッカ クリア」、「サントリー トリス」、「ジムビーム」。
国内2大メーカーの低価格帯と、米国ケンタッキー州からの外タレ・バーボン。それぞれの変化の様子は、通常のテイスティンググラスに注いだものとの比較で検証です。
飾り気も気取りも一切無しの普段着な3本。はたして「ミズナラ枡」の中で確変に突入するのか……。では早速1本目、「ブラックニッカ クリア」さんから。
「ブラックニッカ クリア」。そもそもこれをテイスティンググラスに注いでストレートで飲むなんてことが逆になかなかレアなわけですが、ほんと、いいバランスしてます。
素直で軽やかな香りが感じられる一方、味の方は最初に少しギラッとくる強さ、微妙なトゲがあり、「無骨なニッカ」を主張します。とはいえ後半からは甘さも出てきて、後味はまた素直な感じに戻ります。
それを、into the「ミズナラ枡」。
まずいろいろと落ち着きます。ギラつきも甘さも一旦奥に引っ込みます。木の中ですっかり大人しくなりますね。
……で、その後でまず塩気がほのかに出てきます。「余市」ほどとは言いませんが、同じ路線の塩気がわずかに立ってきます。さらに、これもピート香とまではいきませんが、いぶされた感じというか、いい具合にくすんだ感じの香りが少々上がってきます。
「ブラックニッカ クリア」×「ミズナラ枡」は、“原酒に戻る”ですかね。ブレンドしてバランスの良い風味にまとめる“前”の状態に、時間をさかのぼってアクセスできるというか……。そこでは色濃く出ていたであろう原酒の個性を、因数分解してピックアップするというか……。なかなかシブいですが、面白い変化です。
続いては「サントリー トリス」。これもストレートではあまり飲んだことないですが、グラスで飲むと、トロッとした甘味が比較的強く感じられます。「ブラックニッカ クリア」同様、全体のバランスはいいのですが、こっちのほうがさらに軽やかですかね。
花の蜜というのか、フローラル系の華やかな香りがフワリと漂ってくるのが特徴でしょうか。味わいもクセがなく実に軽快。フワッフワです。
で、こちらもinto the「ミズナラ枡」。
するとまずウイスキーよりもミズナラ材の木の香りがグワッときますね。フローラルなウイスキーのフレーバーはやや後退します。実にウッディーな、ミズナラのいい香りが前面化してたまらんです。
そして味もフワフワした高揚感からちょっとだけ重みが増して、じっくりとコクが感じられるようになります。塩気や甘味といったわかりやすい特徴が飛び出てくるのではなく、いろいろな特徴が深く混じり合った全体としての魅力ですね。「ブラックニッカ クリア」はブレンド前の原酒に帰ると言いましたが、こちらは逆にブレンドがいっそう進んでまろやかさが増す印象でしょうか。
「サントリー トリス」×「ミズナラ枡」は“重層化”ですかね。いろんな絵の具を重ね塗りして、より深みのある色ができるように、ミズナラ材の要素が重なることでより重みと厚みが出る感じ。グラスで飲む「サントリー トリス」が花の蜜なら、ミズナラ枡のはさしずめ“樹液”。そんな濃さと深みを感じさせます。
さて最後はこちら、はるばる米国からお越しの「ジムビーム」さんです。もうこれはね、ザ・バーボンなんで、グラスでいただくとやっぱりザ・バーボンな煙たさというのか穀物の粉っぽい感じというのか、喉と鼻の奥にグイグイくる押しの強さがありますね。
バーボンといえば原料の半分以上がトウモロコシなんで、それ由来の甘味もまた強く出てます。もう、なんというか、どこをどう切ってもバーボン、完全無欠のバーボン、ザ・アメリカン・スピリッツであるところのバーボン、なんですね。
で、これも、into the「ミズナラ枡」。
すると、ずっと尾を引くように強く感じられた穀物感のある味・香りが、どういうことか一度フラットに、プレーンになる印象があります。じゃあミズナラ材の、木の香りが出てくるのかといえば、こっちも一緒にフラットになります。不思議。つまり最初の一瞬、無個性になるんですね。
で、そこからが面白くて、「ジムビーム」の個性を構成する“樽材からくる煙たさ”とか“トウモロコシの甘さ”とかが、ちょっと遅れてキツめに、ジワジワと出てきます。個性のぶり返しというのか、一度無個性になったあと、元よりももっと強めにザ・バーボン感が現れるんですね。
「ジムビーム」×「ミズナラ枡」は“粗削り感”。他のウイスキーの多くは、「ミズナラ枡」に入れるとだいたい風味がなめらか・まろやかになって落ち着く、という傾向があるのですが、このバーボンに関しては逆で、程よくまとまっていたものがラフになる、いい感じに粗くなる印象があります。結果、ただでさえアメリカンなワイルド野郎だった「ジムビーム」が、いっそうワイルドに、鼻息が荒くなるという、キャラの濃厚化が起こります。
ということで今回も三者三様のメタモルフォーゼでした。この傾向を参考に、皆さんもウイスキーinto the「ミズナラ枡」を楽しんでみてください。
……とここでお知らせ!
おかげさまで多くの出資をいただきました「ミズナラ枡」、
いよいよ一般販売、決定です!!
9月28日(水)販売開始(予定)
詳しい情報は随時「バッカスの選択」の本サイト、Facebook、Twitterで発信していきますので、チェックをお願いし枡。
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【来週の水曜「枡の日」は……】
で、そんな「ミズナラ枡」と一緒に発売になる「ミズナラ棒」というのがありまして……。ん?何?棒?棒って何?気になりますね~、なっちゃいますよね~。ということで、来週は「ミズナラ棒」の全貌・楽しみ方に迫りたいと思います。お楽しみに!