【あの銘柄は「ミズナラ枡」でどう変わる?】ウイスキーを枡で飲み比べ(2)スコッチ・シングルモルト編

いつもお世話になっており枡。編集長Dです。「バッカスの選択」」公式スピンオフ商品、我らがウイスキー専用酒器「ミズナラ枡」。クラウドファンディングももうすぐ期間終了となるわけですが、引き続き、情報発信は「バッカスの選択」で行っていきますよ!

で本日も水曜日恒例、「ま」いしゅう「す」いようびは「枡の日」ということで「ミズナラ枡」の記事を発信し枡。

今回はスコッチ3本で検証

先週はジャパニーズウイスキー3本で飲み比べをしてみたのですが、今回はスコッチの大御所シングルモルト3本で検証。「ミズナラ枡」で飲むと銘柄ごとの味・香り・キャラはどう変化するのか? その傾向を考察します。

ご登場いただくのはこのお三方。

右から「アードベッグ」、「グレンフィディック」、「ラフロイグ」。

今回もキャラがかぶらないように、味わいの方向性がちょっとずつ違う3本をチョイス。そして変化の様子は通常のテイスティンググラスに注いだものとの比較で検証です。

スコットランドからやって来た外タレ3人は、「ミズナラ枡」の中でどんな姿になり果ててしまうのか……。では早速1本目、「アードベッグ」さんから。

「アードベッグ」×「ミズナラ枡」は、“変わる!”

めちゃ変わる「アードベッグ」

んあ~、けむい。けむい!けむい!きっつ~、燻製感、きっつ~。こいつ、くんせいくせいな、なんつって、きっつ~。

これが、普通にグラスで飲む「アードベッグ」です。いぶされた感が満点の匂い。そして味覚なのに「煙くさい」と嗅覚的な表現をしてしまいそうになる、この味。なんなんでしょうか、この「くさい味」。ピート(泥炭)の味?なのかな?

それを、into the「ミズナラ枡」。

まろやか~、まる~、まんまる~、角とれる~、なんだこれ~。という香りがまず鼻にやってきます。すごい変化です。とはいえ、すっかり腰が折れてしまうのかというとそういうわけでもなく、ピート香とミズナラの木の香りががっぷり四つに組むことで生まれる「新しい強い香り」という感じです。

味もやっぱり「くさい」感じはありますが、グラスで飲んだときよりもモルトのコクがしっかり認識できるというか、「くささ」が極まって舌先がちょっとピリピリしていた感じがなくなって、ノドに抜けていくときに甘さもちゃんと出てきてきます。そして後味としても甘さが残ります。

「アードベッグ」×「ミズナラ枡」は、“変わる!”です。こんなにも風味が変化して感じられるのかと。実際、我々編集部でも、客人に「ミズナラ枡」を試してもらうときにはこの「アードベッグ」を注いでるくらいですからね。

「グレンフィディック」×「ミズナラ枡」は“着地”

地に足のつく「グレンフィディック」

続いては「グレンフィディック」。通称“世界で一番飲まれている”シングルモルト、ですね。確かにグラスで飲むとこのクセのない、華やかな香り!「アードベッグ」よりも1オクターブ高い感じ。パッキーンと、上等な蜜のような香りが、パッキーンと。味も実に軽快で、モルトの甘味がほのかに感じられて、飲みやすいっす。こりゃ世界で一番飲まれるわけですわな。

なのですが、こちらもinto the「ミズナラ枡」。

すると今までメジャーコードで軽やかだったメロディーが、急にマイナーコードになって落ち着きを見せ始めるではありませんか! パッキーンと出ていた華やかな香りはやや奥の方にトーンダウンします。同じ甘めの香りでもアプリコットティー的な、何か別の要素を通過してほのかに届いてくるようなやや甘の香りが、ゆらりんと漂う感じですね。決してパッキーンではなく、ゆらりんです。

味もスタスタと軽快だったものが重みを帯びてきて、ともすればビターチョコのような趣きさえ感じさせます。今まで垂直方向にぴょんぴょん跳ねていたものが、水平方向に静かに横たわり出す感じ、と申しましょうか。ズシリと、もう俺はみんなに愛される道化は止めたんだと、ウッディ―な枡の中でウイスキーもダンディーに成長を遂げていくんですかねえ。

「グレンフィディック」×「ミズナラ枡」は“着地”。フワフワと飛び回っていたものが、地に足をつけてしっかりと立ち上がる、そんなイメージですね。大きな木のようにね。それこそミズナラの大木のようにね。

「ラフロイグ」×「ミズナラ枡」は“晴れた海”

雲間から日が差す「ラフロイグ」

さて最後はこの方、「ラフロイグ」。もうね、「アードベッグ」が「煙」ならこっちは「薬」ですよね。薬っぽい匂い!薬品っぽい匂い!しかしなぜだかクセになる!薬品っぽい匂い!

あと鼻で感じるのは磯くささというか、曇天の、どんより曇った日の、くぐもった海の匂い。こいつがいつまでもいつまでもいつまでも鼻腔の中でわだかまりやがるんですよ。しかしこれもまた、なぜだかクセになる!

味はまずピート香由来の独特の塩気、途中でちょっとだけ甘さがユルッと顔を出して、でも最終的にはやっぱり「薬品」。さすがのラフロイグさんです。

で、これも、into the「ミズナラ枡」。

するとこれがどうしたことか、薬品っぽい感じとミズナラの木の香りが混然一体となって、うまく言えないのですが、なんか上等なブランデー的な、そうコニャックっぽくなります!

磯くささはいくぶん和らいで、甘さ、それもドライフルーツのような渋さと同居した甘さがググッと立ってきますね。後味では最後にアルコールがクワッと立ち上ってきて、それとともに出てくる香りは……、もはや磯ではなく、フラワーガーデン。実に不思議な感覚です。ラフロイグがフローラルだなんて!

「ラフロイグ」×「ミズナラ枡」は“晴れた海”ですかねえ。雲が垂れ込めて今にも雨が降り出しそうだった空が次第に晴れて、雲間から日がのぞいたかと思うと、一気に世界が明るくなって、気がつくと一面の青空と青い海。というような、「ラフロイグ」らしからぬ垢抜け感すら感じられます。

ということで今回も三者三様のメタモルフォーゼでした。この傾向を参考に、皆さんもウイスキーinto the「ミズナラ枡」を楽しんでみてください。

【来週の水曜「枡の日」は……】

クラウドファンディングが終わると、いよいよ迫ってくる一般発売。が?その前に?重要情報?……気になりますね。それも合わせて、「ミズナラ枡」のさらなる楽しみ方をお伝えします。お楽しみに!