別の一面を見せる「余市」
続いてニッカ「余市」。グラスで飲むとまず感じるのは塩味、スモーキーなフレーバー。その後遅れてバニラ的な甘さがジワッと出てきます。うまいっす、相変わらず。
こちらもinto the「ミズナラ桝」。
面白いのは、香りがいったんフラットになるというか、比較的強めに出ていた磯くささ、煙くささの突出感がならされます。枡自体が発するミズナラ材の香りが、むしろ一番嗅覚には響いてきますね。んあ~、かぐわしい~。
で、香りがフラットになると何が起こるか、というと、普段はスモーキーフレーバーの陰に隠れているスイートネスが、一気に前面化してくるんですね。「余市」は通常、その力強い味わいでグイグイ攻めてくるんですが、それに覆われているもう一つの顔、甘い表情があるわけです。そのご尊顔をベール無しで拝むことができる、そんな感じでしょうかね。
「余市」×「ミズナラ桝」は“別の顔”。いつもは寡黙で男くさいあの上司も、家に帰るとやっぱりパパなんですねえ、というような別の一面、別の表情。「ミズナラ桝」でウイスキーが変化するギャップ、落差にわかりやすく萌えたいなら、「余市」みたいなのがうってつけではないかと思います。
「越百」×「ミズナラ桝」は“黄昏”