誰かに言いたい!【3】外がカリカリなのにどうして中が…?
まずはお待ちかねのサクサク天ぷら。コースはなく、好きなタネを1品ずつオーダーするアラカルトのスタイル。カウンター越し、職人さんに「イカ天、お願いね!」なんていう粋なやり取りができるのも、立呑みならではの雰囲気で好評なんだとか。
天ぷらのメニューには定番のタネから旬の野菜や魚介、そして意外性が魅力の変わりダネまで、おいしそうな食材がズラリと並んでいて嬉しい悩みを与えてくれます。1品150円~500円。築地の仲卸が目利きした良質な海鮮と、季節感も意識した野菜のラインナップなど、仕入れにもこだわった粒ぞろい、いやタネぞろいのメニュー。いや~、迷いますね。
「まさにその悩んで選ぶところがアラカルトの醍醐味。今度来たら次はこれを頼もう、と皆さんいろいろトライしながら楽しんでいますね。しかも当店のメニューは季節に応じて2か月に1回リニューアルしていきます。これがまたリピートする理由になっているようです」そう教えていただいたのは、お店を運営する株式会社 一期一会の本間儀彦社長。メニューチェンジが年6回! 常に旬のものを味わえるのが嬉しいです。ですが、嬉しい悩みがさらに増えてしまいますね(笑)。
「定番の人気ダネはやはりエビ、牡蠣、万願寺(とうがらし)など。あとは大根ですね。これは下味をつけたものを揚げるんですが、衣の中では水分がしっかり残っていて、おでんみたいな風味と食感が楽しめます」
おおお、それはおいしそうですね。(1)でもご紹介したこだわりの揚げ方によって、「喜久や」さんの天ぷらは素材の水分が失われないのだとか。カリカリの衣の中で、エビも牡蠣もプリップリの状態がキープされるわけで……、野菜も枯れずにみずみずしいまま……、あ、ヨダレが、すみません。
この「外カリカリ中プリプリ」な揚げ方のおかげで、おいしさは定番以外の変わりダネにも広がります。たとえば「味玉」。半熟玉子のトロリ感がそのまま、サクサクの衣に包まれます。たまりまへん。そして「うなぎの蒲焼」。中はふっくら、あの蒲焼ですが、外はカリッと仕上がっていて歯ごたえのギャップが面白い。他にも「パクチー(かき揚げにする)」やデザートの「バニラアイスの天ぷら」など、挑戦意欲がそそられるタネがいっぱいです。
「あと面白いのは豆腐ですね。水もついたまんまの絹ごし豆腐を素揚げにするんですが、中は湯豆腐みたいなトロットロの仕上がりになる。これがうまいんですよ。皆さんにオススメしてます」
絹ごしちゃんをサクッと揚げて、、
青唐辛子をトッピングしていただきます。あ~、ちょっと、そろそろお酒……、あ、すみません。しかし最高のツマミですねこれ。
長くヨーロッパに滞在した経験もある社長の発案で、洋モノ素材の天ぷらも充実。ズッキーニ、アボカド、ホワイトアスパラ、そしてプチトマトとモッツアレラのカプレーゼ、などなど。メニュー開発は日々続いているそうです。