日本のウイスキー6本×ツマミ35種の組み合わせを総当たり戦で全査定する「210番勝負」。(1)でウイスキーを紹介したのに続き、ここでは私の胃袋に突撃するのを武者震いしながら待っているツマミたちをザザザッと紹介する。
もちろん、これらがあまたあるこの世のツマミを代表している確証はなく、やはり当方の「独断」でチョイスした35品でしかないが、一応選出に際しては基準のようなものを設けた。
【1】入手簡単&準備簡単なもの
本記事をお読みいただいた愛すべき呑兵衛諸氏が今日明日にでも試せるよう、スーパーやコンビニ、惣菜店で容易に手に入るものを選んだ。しかも調理の必要がなく、あったとしても加熱のみの「基本盛り付けるだけ」レベルだ。
【2】日本人にお馴染みのもの
マッチングの相手が「ジャパニーズ」ウイスキーなので、こちらもなるべく日本らしいチョイス。とはいえ必ずしも和食という意味ではなく、「日本人に馴染み深い」という観点から選出したラインナップになっている。
【3】バリエーションが広がるもの
海のもの/山のもの、和の食材/洋の食材、漬け物/乾き物/煮物/発酵食品、しょっぱい/すっぱい/あっさり/甘い、などなど。マッチングの傾向を探るためにも、できるだけ方向性をたくさん出せるメンバー構成を心がけた。
では決戦に臨む35選手を、なんとなくのジャンル別で紹介しよう。
いやいや最近はコンビニで買える缶詰もレベルが高い。手間もかからず保存もきいて、実に戦闘力の高いツマミだ。今回は「ホタテのバター醤油味」「貝柱の燻製油漬」「合鴨スモーク」「スモークドオイスターのオイル漬け」と、乳臭い~煙臭いまでをカバーするチョイス。
ニッポンのツマミの代表といえば何を置いても乾き物。まして相手がジャパニーズウイスキーなので、やはりこれは対戦カードから外せない。ツマミ界の通奏低音、偉大なるマンネリ「柿の種」、さらに水産加工品の雄「鮭とば」「煮干し」を招集した完璧な布陣だ。
あっさり、しょっぱい、辛い、香ばしい……と、漬け物だけで既にバリエーション豊富。典型的な「お新香パック」から「しば漬け」「らっきょう」「奈良漬け」まで、味の濃淡を意識した選出。日本酒のアテのイメージが強いが、果たしてウイスキーとの相性やいかに?
ジャパニーズウイスキーが日常の食卓に上がる可能性を探るため、よくあるおかずも集めた。「納豆」「ひじきと豆の煮物」「厚揚げ」の豆なトリオと、「だし巻き玉子」「シーチキン」「ポテトサラダ」の安定感トリオ。いやあ、普通にお米が欲しい!……失礼、つい本音が。
酒のアテとしては、まあ外さないのが「しょっぱいもの」だろう。極論「塩」単体でも良かったのだが、絵的にさみしかったので別の機会に。今回は和洋取り混ぜたチョイス。「アンチョビ」「酒盗」「レバーペースト」「イカの塩辛」「ソーセージ」「サバの味噌煮」「明太子」。
しょっぱいばかりだと喉も乾くので、たまにはさっぱりしたツマミを挟むのも呑兵衛の処世術。食感と酸味がアクセントの「もずく酢」、ほのかに磯の香り漂う「かまぼこ」、シンプルゆえに懐の深い「冷奴」の3選手は、ウイスキーの個性に負けるのか?馴染むのか?
「しょっぱい、じゃないの?」「さっぱり、だろう」「甘い、に入れろよ」と異論が聞こえそうだが、これらは「酸味」をキーワードに独断でカテゴライズさせてもらう。「ピクルス」「チーズ」「イチゴ」の3選手。写り込んでいるクラッカーは補助メンバー、選手ではない。
ウイスキーボンボンの例を出すまでもなく、このジャンルはかなりの脈アリ路線と言える。他の酒に比べ、ウイスキーは甘いヤツにはめっぽう強い。王道の「チョコ」と、全くツマミらしくない「プリン」、さらに和の甘い系から「甘栗」「ようかん」「どら焼き」が迎え撃つ。
以上「ツマミの部」選手入場。
こうして役者がついにそろい、ジャパニーズウイスキー6本×ツマミ35種による210のマッチが幕を開けた。まあ、実際に戦ったのは私の胃袋と肝臓なのだが。そして終始公平で冷静なジャッジに努めた私の舌と鼻にも、ねぎらいの言葉をかけてやりたいと思う。
(3)~(8)ではウイスキーの銘柄ごとに、ベストマッチに輝いたツマミをカウントダウン形式で発表する。なお、ツマミ35種の個別の査定結果については、後日改めて詳報をアップする予定なのでお待ち願いたい。
ではまず(3)「サントリー白州」のベストマッチへ!