【飲んで、食べて、熊本を応援!<後編>】熊本のバーテンダーさんにスペシャルカクテル&おすすめご当地グルメを聞いてきた

編集長Dです。さて前回記事に続き「熊本チャリティーカクテルパーティー」レポート。熊本のバーテンダーさん5人によるスペシャルカクテルと、ご本人に聞いた「カクテルに合いそうな熊本のご当地グルメ」を紹介しています。今回はその後半3杯。早速いってみましょう~

「本田Bar」のバーテンダー・本田甲介さんのカクテルは、その名も「from K」。熊本から想いを伝える、というテーマで、ベースにした熊本の米焼酎「想伝」にもかけています。

その「想伝」に熊本県産の生姜汁、ライムジュース、やはり熊本の名産であるハチミツを混ぜてシェイク。グラスのふちには、柑橘類の不知火(いわゆるデコポン)の皮を粉末状にしたものと県産の塩を合わせた“不知火ソルト”を付けていただきます。

口当たりはすっきり爽やか、心地よい酸味が引き立つカクテルです。不知火の香りがよく出て、そこに生姜の風味が合わさり、ちょっとの大人なテイストですね。何だか肉に合いそうです。

と、思っていたら本田さんおすすめのマリアージュが馬肉、ドンピシャです。「熊本名物の馬刺しもいいと思いますが、焼いた方がこのカクテルにはより合うかと。あとは馬肉の味噌煮込みなんかもイメージが湧きますね」とのこと。

そもそも生姜やライムなどは肉料理と相性のいい素材ですし、不知火の皮には消化を助ける効果もある?との話もあり、濃い味のものを食べた後にスッキリ合わせるには最高のカクテルかもしれません、「from K」。

<熊本生まれの“日本一”カクテル登場>

続いて、前の記事から数えて4杯目、「BAR BLUE」豊川紗佳さんのカクテル「Baby’s breath(ベイビーズ・ブレス)」です。直訳すると「赤ちゃんの吐息」ですが、実はこれ、カスミソウの英語名でもあるんですね。そしてカスミソウは熊本が生産量日本一。

さらには、このカクテルで豊川さん自身が昨年“日本一”になりました。日本バーテンダー協会の「全国エリート・バーテンダー・カクテル・コンペティション」でクラシック部門のグランプリに輝いたんですね。と、いろいろかかっているカクテルです。

まずベースはバニラ風味のウォッカ。そこにバナナリキュール、ヨーグルトリキュール、パッションフルーツシロップ、桃ジュースを入れる、ちょっと甘口のショートカクテルです。

口に含むと確かに甘さが広がりますが、その中にほのかな酸味もあって、味の表情に変化が出ています。そして優しくスムーズなのど越しが心地良い1杯ですね。ちなみに焼酎ベースで作るバージョンもアリとのこと。

「カクテルが甘めなので、食べ物は味のしっかりしたものが合うのでは」と豊川さんに考えてもらった熊本グルメは、「山うにとうふ」。熊本の山間で古くから保存食として作られてきた豆腐の味噌漬けです。もろみ味噌で長期発酵熟成されるその味は、豆腐というよりチーズのような感覚で「おつまみにぴったり、お酒が進んじゃう」一品なのだとか。通販でお取り寄せもあるようなので、ちょっと試してみたいですね。

<ラストは熟成ラム×熊本産トマト……そして、肉!>

さて最後に登場いただくのはこの方、「The Bar Amber」の隅田耕一郎さん。

そのスペシャルカクテル「熊本県産アモーレトマトと熟成ラムのカクテル」は、ベースに熟成ラムの「バカルディ・エイト」を使い、そこにシェリー酒、熊本産のアモーレトマトジュース、白ワインビネガー、パッションフルーツシロップが入ります。

隅田さんの友人が作っているというトマトの甘さ、フルーティーさが引き立つ、味の個性のはっきりした1杯になっています。さらにビネガーの酸味、熟成ラムのコク、後味にはほんのり苦味もあり、複雑な表情が楽しめるカクテルです。

このお酒に合わせたい熊本グルメを聞いたところ、隅田さんが教えてくれたのが熊本の和牛・あか牛。適度な脂肪分の赤身が多い肉質で、柔らかさと肉の旨味がしっかり出るこのお肉を、あえて塩コショウだけのシンプルな味付けでグリルにするのがおすすめだそうです。「カクテルのトマトと熟成ラムの深い味が、ちょうどソースのように肉にマッチするのでは」とのこと。肉をあっさり目に仕立ててカクテルをソース的に使う、という、これは高等テクですね、はい。

さてそんな隅田さん、最後にイベントに参加した熊本のバーテンダー5人を代表してメッセージをいただきました。「今回は熊本のために何か力になりたいということで、地元のお酒をアピールするオリジナルカクテルを用意しました。熊本は焼酎はもちろん、日本最南端の酒蔵があったり、ワイナリーやビール工場もあったりと、酒造りが盛んな土地です。これをきっかけに熊本に出かけたり、その味覚に興味を持つ人が増えたら嬉しいです。私たちのバーも震災の後、県外からのお客様に来ていただいてたくさん助けられました。これからも熊本を訪れる方々をおもてなしするのが、私たちの仕事だと思っています」

とうことで、以上「熊本チャリティーカクテルパーティー」レポートでした。ご紹介したカクテルとご当地グルメをヒントに、皆さんも現地への旅行やお取り寄せなど様々な形で「飲んで、食べて、応援!」はいかがでしょうか~