前回のたこ焼き缶記事(http://c2h5oh.jp/minoh-beer-takoyaki-can/)に続き、今回も関西のご当地缶詰をご紹介。登場するのは京都代表「だし巻き缶詰」。これを同じく京都のクラフトビールとあわせて、夕暮れの自宅飲みを楽しむとしよう。
これが、祇園でうわさ(?)のだし巻き缶詰。前回のたこ焼き缶詰と同メーカーである「mr.kanso」の独自開発による商品だ。
大阪のたこ焼きほど知られてはいないが、だし巻きは江戸時代に京都で最初に作られたとされている。玉子そのものの味を中心とした関東の厚焼きに対し、カツオや昆布のだしを合わせたこの料理は、さっぱりした味を好む京都人のいわゆるソウルフードといってよい。
ジン・トニックでそのバーの価値が分かるように、京都ではだし巻きでその料亭の真価が分かるとまで言われているようだ。
開いた途端、はんなりと香るカツオだし。これだけで味に大きな期待がもてる。このまま食べるのもそれはそれで乙なものだが、せっかくなので缶から取り出していこう。
箸で取り出す際は、形を崩してしまわないように気を付けよう。意外とぎっしり詰まっている。(画像をよく見ていただければ分かるが、筆者も取り出しの際にやらかしている)
そしてこれが今回のお酒。京都を代表する老舗酒造メーカー「黄桜」が手掛けた「京都クラシック レッドエール」だ。稲荷大社などで知られる伏見の名水「伏水」を贅沢に使用した、黄桜自慢のエール系ビールである。
注いでみれば、レッドブラスさながらの赤色がなんともいえない格好良さ。自己主張しすぎずほのかに漂うホップの芳香に、欲望がグングン刺激される。
それでは、さっそくいただきましょう。
窓から差す夕日に照らされて、あたかも黄金の如きだし巻きの出で立ち。ぱくりと口に入れれば、かつおだしのまったりとしつつも強すぎない旨味がじわじわと口の中に広がっていく。食感もふんわりかつもっちりで、口あたり抜群。
こりゃ(良い意味で)たまらんと、レッドエールをググッと。
これがまたいい味! 甘さの中に、喉の奥から唸らせてくれるような「旨い苦み」がある。それがだし巻きの旨味を更によいものにしてくれて、箸を進めるのがほんのりと楽しくなってくる。
それでいてクセがまったくなく、誰でもどんどん飲めちゃうぐらいにのどごしがすごい。じんわりゆっくりなその酔いも非常に心地よく、うっかり飲みすぎてしまいそうだ。
京都らしい奥深さあるだし巻き缶とビールを味わい、すっかり満足気分。夕暮れに身体を横たえ「俺の人生そう悪くもないな」とちょっとした幸福感。これもまた、大人の愉しみのひとつだ。
以上、「だし巻き缶詰」と「京都クラシック レッドエール」、自宅でも手軽に楽しむことが可能な“しずる感”たっぷりの京都名物を紹介した。この絶妙なおいしさを皆さまにも味わっていただきたい。いずれもネットで気軽に購入できるので、是非!
「京都クラシック レッドエール」は各種ネットショッピングサイトで取扱あり