「白」でも「赤」でもない?“肉専用”ワイン? その名も『黒ワイン』!! 合わせるのはもちろんステーキ、しかも2種!

“肉専用”『黒ワイン』! その名は『カーニヴォ』!

『黒ワイン』なるものがある。赤でも白でもロゼでもない?……厳密には赤ワインの一種なのだが、でも『黒ワイン』なのだ! そのワインの名は、『カーニヴォ』。

このワイン、アメリカ産で葡萄の品種は「カベルネソーヴィニヨン」。言い方は悪いが、“どす黒い赤色”をしている。色もそうなのだが、『黒ワイン』という呼び名は非常にインパクトがある。そして、そのキャッチフレーズが『肉専用ワイン』。これもインパクト大だ! 肉専用とまで言い切っているのである!

『“肉専用”黒ワイン カーニヴォ』……。これが、このワインの宣伝名称。ちなみに『カーニヴォ』という言葉には「肉食動物」「肉を食べるのが好きな人」といった意味がある。さて、この黒ワイン、本当に肉に合うのだろうか? もし合わなかったら洒落にならない。早速試してみる事にしよう。

まさしく『黒ワイン』! その本性を暴いてみよう

まずはグラスに注いでみる。本当にどす黒い赤。というか黒に近い。まさしく『黒ワイン』。

香りを嗅いでみる。仄かにチョコレートのような甘い香りがする。早速口に含む。程よいタンニンと強めのフルーティーさを感じる。そして少し遅れて、バニラのような香りが口中に拡がる。いわゆる「ライトな感じのすっきりした飲み口のワイン」とは正反対だ。でも、これはこれで好きな部類である。意外といける。

『カーニヴォ』に合わせるのは2種類のステーキ!

このワインに合わせるのはもちろん肉。2種類のステーキ肉だ。

ひとつは赤身。そしてもうひとつは、霜降り肉のステーキ。早速いただく事にする。

肉々しい赤身肉が主張する肉本来の美味さ。対して『カーニヴォ』は……?

肉々しい赤身肉が主張する肉本来の美味さ。対して『カーニヴォ』は……?

まずは赤身肉のステーキから。大きな肉片を一口でほおばる。肉汁が溢れかえり、肉の香りが口中に拡がる。まさしく「肉を喰らっている」感じだ。一緒に添えたニンニクもいい仕事をしている。そう、これが肉本来のお味なのだ! 実に美味い!

そこにおもむろに『カーニヴォ』を流し込む。『カーニヴォ』が赤身の肉と溢れかえる肉汁を包み込む。荒々しい肉の感覚が、程よいタンニンで懐柔され、エスプレッソのような香りが肉の匂いをまろやかに変身させる。これは合う! キャッチフレーズどおり、肉料理にピッタリだ!

サシ(脂肪)の旨みと甘みに『カーニヴォ』は見事にマッチした!

次に霜降り肉をいただこう。これも一口でほおばる。美味い!「肉」を充分に感じるのは赤身と同じだが、先程と違い、霜降り肉のサシより出る脂が甘さと旨みを主張する。そして蕩ける食感。赤身肉とはまったく別のお料理を食べている感じだ。

さあ、『カーニヴォ』を流し込もう。ワイン特有のフルーティーな葡萄を感じた後、バニラの香りがやってくる。これが、甘く旨みのあるサシとマッチする。最高の飲み物をいただいている様な感覚。このワイン、素材の持ち味を高みに上げてくれる。素晴らしい!

『カーニヴォ』は肉料理にピッタリと証明された! が、新たな疑問が……?

『“肉専用”黒ワイン カーニヴォ』……。さすがに肉専用と謳うだけの事はある。肉料理にベストマッチだった。チョコレートのような完熟葡萄のお味と、バニラのような香りが、肉の持つ荒々しさや、旨み、甘みと見事に融合し、肉料理をワンランク上に引き上げてくれた。この味を知ってしまうと、肉料理には欠かせなくなる。

しかし、どうだろう? 本当に肉料理“専用”なのだろうか? 他の料理には合わないのだろうか? 決してそうではないという予感がある。このワインそのものは非常に飲みやすく、シンプルな一面も持っている。色々なお料理に合わせても面白いのではなかろうか。

……と、これについては、今後の宿題にとっておく事にしよう。