秋も深まってきた10月某日、編集長D、“マスター”に呼び出されまして。ええ、もうね、マスターのお召しですから、これは仮に米国大統領と会談する予定が入っていたとしても、そんなもの全力ですっぽかして駆けつけなくてはならない“オーダー”なわけですよ。
マスター? はて、どこぞのバーテンダーか何かですか? という諸君のために説明しますと、人気のクラフトビール「Craft Label」シリーズを手掛けるジャパンプレミアムブリュー株式会社のただ一人の「マスターブリュワー」新井健司(あらい・たけし)さんでありまして、既に掲載した「エピソード(1)~(6)」で我々編集部(というか編集長D)が勝手に“ジェダイマスター”と呼んでいる方なのであります。
地球上に100 種以上は存在するとされるビールスタイルの(おそらく)全て精通しているマスターが、その“フォース”の限りを注ぎ込んで、世界がまだ知らない新たなビールを造る……。そんな密かな野望が、銀河の片隅、東京・銀座で進行しているというので、チョウサに行ってきました。ええ、「飲酒」と書いて「チョウサ」と読みます。
向かった先は銀座4丁目交差点。その角にこの9月誕生した商業ビル「GINZA PLACE」の地下フロアにある「銀座ライオン GINZA PLACE 店」。地下1 階が気軽なちょい飲み系の「ブラッスリー」、地下2階がワイワイグビグビ系の広々空間「ビヤホール」という2フロア構成ですが、今回は「ブラッスリー」でのチョウサです。
ここでは、ジャパンプレミアムブリューの「Craft Label」シリーズが樽生で楽しめます。エピソード(6)で紹介した「伝説のSORACHI ACE」に至っては、樽生で飲めるのは他には滅多にありません! そんなブラッスリーで展開中のマスターの野望、それが「Craft Label SECRET TAP-銀座コレクション-」なのです。
「Craft Label」は飲みやすさもありながら“ややニッチ”な路線を攻めるクラフトビールのラインなわけですが、そこからさらにとんがって“よりニッチ”も攻めたいという新井さんの醸造家魂が結実したビールが、このブラッスリー限定で飲めるんですね~。もう一度言いますが、この「ブラッスリー限定」です(銀座ライオンの他店舗では飲めません)。しかも定期的にテイストがチェンジ! その内容はその販売直前になるまでシークレット、という次第なのであります。
して、10月某日にチョウサしたときの「SECRET TAP」はこちら、「ZZ Bitter 樽生」でした。グラスもシークレット仕様です。ドーン!!
「濃厚で洗練された苦みを楽しめるビターエール」ということで、いただくと確かにホップの苦みがグワッときます。……が、ひたすら苦いわけではないんですね、スッと切れます。その後はまろやかというか、ちょっと相反する感じのテイストが出てきて、後味は非常に飲みやすい。不思議ですね~。
「まろやかな感じはオート麦を一部使用しているからですね。それで甘めのニュアンスを出すことができます。そこに2回に分けて添加するホップをきかせているので、最初は苦みのしっかりしたアタックの強さがありながら、後半は心地の良い余韻が味わえるビターエールに仕上がっています」とマスター談。もう持てるフォースを尽くして“よりニッチ”を攻めまくってます!
実はこれ、ベルギーの「XX(イクスイクス)Bitter」というクラフトビールが元ネタなんだそうです。「XX Bitter」もやっぱり苦みと味わいの調和が光るビールで、新井さんも個人的に大好き!ということで“オマージュ”に挑戦してみたとのこと。どうせなら“究極”の苦みを出したれと、ほんで名前も「ZZ」にしたれと、もうね、どこまでマニアックなんですか、マスター!
さてそんな、晩秋の夜に時間をかけてちびちび味わいたい「ZZ Bitter 樽生」に合わせたい一品としてマスターに挙げていただいたのがこちら、「松坂ポークの串カツ」。
「やっぱりちょっと脂っこいというか、噛みしめるとジュワッとくるカツや唐揚げなんかが合うと思います。ジュワジュワしている肉汁を『ZZ Bitter』の苦みでシメるのがいいんですよ」とおっしゃるマスターに従い、ソースをトロトロトロ……。
そして1本、サクッと。……ぬほほ!肉からも衣からも、来るわ来るわ、ジュワジュワ! ここにすかさず「ZZ Bitter」を流し込むと、苦みがよくハマるわけですが、その後の味わい・コクもしっかりしているので、肉の後味と最後までよく絡みますね。ひょっとすると、これ、あえての“ソース無し”で食べてみて「ZZ」と合わせるのもアリかもしれません。
実はこの「Craft Label SECRET TAP-銀座コレクション-」、「ZZ Bitter 樽生」を入れて既に3種類が登場しています(最初の2つは既に提供終了)。ということで、この11月に打席に入るのは満を持しての4番打者! その名も「Barbe Rouge Berry IPA(バーブルージュ・ベリー・アイピーエー)樽生」。
なんでも、“ぱっと見は黄金色のビール”なのに“香りがイチゴ”(!)という、これまたマスターのフォース炸裂のマニアックな一杯に仕上がっているとか……。こちら、11月9日(水)18:00から同店・同フロア「ブラッスリー」にて販売開始なのですが、な、な、なんと、その当日18:00から“ファースト樽”の「開栓式」を行い(※予約不要)、マスターブリュワーが直々に降臨だそうです! まさかの“生”マスター×生ビール……。お見逃し&お飲み逃しなく!
そして10月の「ZZ Bitter 樽生」も、数量がなくなるまでは引き続き販売中ですので、こちらもお早めにどうぞ! ということで、「ザギンでルービー」のチョウサ・レポートでした。また次のエピソードでお会いしましょう。