沖縄県特産のお酒、泡盛。「クセも度数も強くて苦手……」なんて声がよく聞かれます。確かに泡盛の原料は独特な味わいのあるタイ米、そして度数は平均30度と馴れない方も多いと思います。そこで、今回はきつい泡盛をソーダで割る「泡盛ハイボール」をご提案。すっきりとのど越しもよく、ライトな泡盛ハイボールはこれからの夏にぴったりです!
泡盛の中でも3年以上かめに寝かせて熟成させたものを古酒(クースー)と呼びます。古酒は、熟成させることでアルコールの刺激臭は影をひそめ、まろやかな風味を際立たせるまさに泡盛の真骨頂!
地元沖縄ではストレートやロックでじっくりと飲むのが一般的とされていますが、古酒はソーダで割ってももちろん美味しいのです。清涼感がプラスされ、奥深い味わいもしっかり楽しめます。なんといってもプレミアム感にあふれている! もったいない……と嘆かずに、ワンランク上の泡盛ハイボールを楽しんでください!
今回は泡盛界のトップランナー、「瑞泉」の古酒を選びました。その名も「瑞泉King」。10年熟成の古酒です。
ロックで味わうと、トロリとした絹のような舌触りが印象的ですが、骨太いボディと味の奥行きは確かに歳を重ねた男性の重厚感を感じさせます。
素直に、ロックで飲むのが美味しい。……のはもちろんですが、今回はソーダで割ります。
少し濃い目にセッティングし、ひと口飲むと……、いぶし銀の中年男性が、爽やかな笑顔の好青年に早変わり! ああ、くやしいけれど、どっちもタイプなのです。
さて、今回泡盛ハイボールに合わせたのは沖縄料理の「ラフテー」。コラーゲンたっぷりの皮付きの豚肉を使用しました。
ところでラフテーは、家庭でも簡単に作れるのをご存知ですか? 圧力鍋がなくても大丈夫。その秘訣は、「塩麹」。
【1】食べやすい大きさに切った豚肉を、塩麹で漬ける(できればひと晩寝かせる)。
【2】煮込む前に塩麹を洗い流す。
【3】醤油、砂糖、しょうが、泡盛で煮汁を作る。
【4】豚肉を(3)の煮汁で1時間ほど煮込む。
これで、箸でも切れるトロリとしたラフテーの出来上がりです。
こってりとした料理にとって、泡盛ハイボールはこの上ない理解者です。その上「瑞泉King」は骨太なボディ感がベースにあるので、豚肉の脂身に負けることなく、むしろその甘さをさらに引き立てます。そして最後にはソーダの爽快感で、しつこくなりがちな口の中をさっぱりと切り替えてくれます。
トロトロのラフテーとプレミアム感のある古酒の泡盛ハイボールで、ちょっと贅沢な南国気分。この夏、おすすめです。