【ミズナラは「枡」もいいけど「棒」もすごい】ウイスキーの飲み方に一石を投じる「ミズナラ棒」とは(後編)?

【ミズナラは「枡」もいいけど「棒」もすごい】ウイスキーの飲み方に一石を投じる「ミズナラ棒」とは(後編)?

いつもお世話になっており枡。編集長Dです。今週も水曜日恒例、「ま」いしゅう「す」いようびは「枡の日」の「ミズナラ枡」記事を発信し枡。

……と言いつつ、先週に続いてまた「棒」の話。我らがウイスキー専用酒器「ミズナラ枡」の開発過程でスピンオフした「ミズナラ棒」をご紹介します。「枡」の魅力をご理解いただける方なら、こちらも必ずや気に入っていただけると思います。

ウイスキーのミズナラ樽がもたらす熟成を“手の中”で再現しようとしたのが「枡」。それを“ボトルの中”で起こそうというのが「棒」です。「ミズナラ枡」があれだけの変化をウイスキーに与えるなら、ミズナラ材をスティック状にしてボトルに突っ込むだけでもけっこう風味が違ってくるのでは、と考案しました。まあ、安直といえば安直な思い付きですが、なかなかあなどれないのですよ、これが。

スペックと使い方をおさらい

ミズナラ棒

■サイズ :(外寸)タテ17×直径1.2㎝
■素材 :ミズナラ材100%
※サイズ等は個体の状態等により若干の前後があります。

使い方は、(1)使用前に軽く流水ですすいで、1時間ほど自然乾燥させます。(2)700~750mlのウイスキーボトルに「ミズナラ棒」を1本入れます。……だけ!

ただいくつかご注意点がありまして……。
●ボトルにはゆっくりと静かに投入してください。この時、溢れてしまうことがあるため、あらかじめウイスキーの量を少し減らしておくことをお勧めいたします。
●目安として、12時間以上漬けておいてください。また7日以上漬けると、材質の劣化につながる場合があります。
●ウイスキーを注ぐ際、ミズナラスティックが瓶から出てきてしまう場合があります。ご注意ください。

ミズナラ棒とウイスキー

そんな「ミズナラ棒」は、水洗い(洗剤、食洗器の使用はNG)をしてしっかり自然乾燥(ドライヤー等での乾燥はNG)をすれば、繰り返し使用が可能です。ただ、前に入れていたウイスキーの風味が棒に残ることがあるので、別の銘柄のボトルに入れると多少風味が移る場合があります。まあそれも、「自分だけのオリジナルブレンドをつくる」的な、ひとつの楽しみ方と考えていただければ……幸いです。

棒熟成その3「ニッカ 竹鶴」

では今週も、気になる「ミズナラ棒」の実力に迫ってみましょう。先週は「その1・サントリー トリス」「その2・ブラックニッカ クリア」のボトルで試してみました。今回は後半の2本で、“棒熟成”の様子をレポートします。

まずはこの方「ニッカ 竹鶴」さん。

ミズナラ棒入り「ニッカ 竹鶴」

はい、しっかりぶっ刺さってますね、「棒」が。

右が「ミズナラ棒」を入れた「ニッカ 竹鶴」のボトル、左が入れてないボトル

右が「ミズナラ棒」を入れたボトル、左が入れてないボトル。それぞれを味わって比較します。どっちもストレート。

まず棒無しボトルの「竹鶴」。こちら、ニッカの余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所、2カ所のモルトをブレンドしてつくられる一本。ざっくりいうと、余市はソルティ―で宮城峡はスイート。別の個性がバランスよく混じり合っている、この完成度はさすがです。ガーサスです。ただ、棒無し(つまりノーマル)をストレートでいくと、最初は甘めの華やかな香りが来て、その後最終的には余市的な辛さが立ってくる順番かな?と思いました。

棒入りボトルの「竹鶴」に移行。写真の右側。左の棒無しよりも、気持ち濃いです。

で、棒入りボトルの「竹鶴」に移行。写真の右側。左の棒無しよりも、気持ち濃いです。気持ちね、気持ち。

棒入りの方は、最初に来る香りが違っていて、良く言えば落ち着く、人によっては素っ気なないと感じるかもしれないですね。わかりやすくパッと開く華やかさはかなり控えめになります。ただ1~2テンポ遅れて甘い風味がグワグワ起き上がってくるのですが、この甘さが棒無しのとは別の奥深くシブい甘さで、砂糖よりも黒糖、クリームよりもあんこ、という感じでしょうか。

「ニッカ 竹鶴」

棒無しの方が最終的に余市的な辛さが出てきたのに対し、「ミズナラ棒」を入れた方は宮城峡的な甘さが引き立ってくる印象です。「入り」もけっこう変わりますが、「余韻」がほんとに別モノ。面白い変化ですね。

棒熟成その4「サントリー 角瓶」

最後はこの方、「サントリー 角瓶」さん。

ミズナラ棒入り「サントリー 角瓶」

実はこれ、うちの編集長A(この記事書いてるのは編集長D、ややこしくてすみません)が個人的に試したらめちゃうまくなった、というので持ち込まれた一本。そのため、比較用の棒無しノーマルボトルがありません。悪しからず。いつも飲んでる記憶を頼りに比べます。

とはいえだいたいハイボールで飲むことの多い角瓶。ストレートだとどんなだったか少し覚束ないのですが、バーボン樽の原酒をメインで使っているので、香りは甘め、でも味はドライというバランスの上に成立する飲みやすさが特徴。……のはずです。そのボトルに「ミズナラ棒」を入れた“棒熟成”バージョンがこちら。

ミズナラ棒入り「サントリー 角瓶」

これはですね、けっこう劇的で、「バーボン樽で寝かせた原酒」を通り越して「バーボン」になります。はい、バーボンです。あの、しっかり焦がした樽の煙たい匂いがにじみ出るバーボン。原料であるトウモロコシ由来のトロンとした甘味が舌に絡みつくバーボン。ほんとにね、そんな感じです。なので、ストレートで全く問題なくイケます。「ミズナラ棒」によって、“ストレートで飲む角”に開眼してしまうくらいのインパクトです、はい。

「サントリー 角瓶」

トウモロコシを使ったグレーン原酒の甘さが前面に出るのだと思いますが、とにかく香りが丸くスムーズになって、そこにちょいちょい樽の煙さが顔を出す感じ。ハイボールにすると、これがまた棒無しノーマルの「いつもの角ハイボール」とは違う仕上がりになって、ドライというよりなめらか、伸びのあるコクがたまらない一杯になります。うまい!

……そんな「ミズナラ棒」一般発売へ!

ということで、この「ミズナラ棒」ですが、「ミズナラ枡」とともに一般発売、決定しました!!

ミズナラ棒

●9月28日(水)販売開始
●一般販売価格:980円(税込み)

※ともに予定

詳しい情報は随時「バッカスの選択」の本サイト、Facebook、Twitterで発信していきますので、チェックをお願いします!

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【来週の水曜「枡の日」は……】
2週続けて「枡」をほったらかしだったので、すねてるかもしれませんね。じゃあ、うまい酒でも注いで機嫌を直してもらいましょうか。しかもちょっと攻めて、ウイスキー“以外”の酒を入れるとどうなるのか?やってみたいと思います(ウイスキー専用酒器だっつーのに)。お楽しみに!