【お酒のプロに無茶ぶりの時間ですよ】ワンコインワインをソムリエが本気でテイスティングするとどうなる?(1)赤ワイン編

編集長Dである。今回はゲストをお招きした。ソムリエさんである。ソムリエ風にうんちくを言うのが好きなその辺の飲んだくれとはわけが違う。正真正銘、本物のソムリエさんである。そんな人を招いて我らが「バッカスの選択」、何をするかと思えば「ワンコインワインの寸評」である。わざわざ時間を割いていただいてだ、ご足労をいただいてだ、それで何だ、この、野村克也を荒川の河川敷に呼び立てて少年野球を見ながら何かボヤいてくれというような、もはや贅沢なお願いなのか単なる無茶ぶりなのかわからん企画は。

とはいえ、最近じゃあコンビニやスーパーの酒コーナーで定位置を獲得しているワンコインワインを、ソムリエがちゃんとテイスティングするとどうなるのかは、まあ興味がある話だ。「やっぱり安かろう悪かろうだ」みたいなことを素人が評しても、その見立て自体がどうにも安い。ぶっちゃけベースの評価を“プロ”に聞くというところに意味がある。そうは思わんかね、諸君。

ということで我々の無茶ぶりに見事に巻き込まれてしまったソムリエさんがこちら、藤牧和哉氏。普段は銀座のバーに立たれている。間違いなくワインのプロである。

そんな藤牧氏の前にズラリと並んだワインたち。赤4本、白3本。全て500円以下である。いつも氏が扱っているのは、当然これらの総額よりも高いワインばかりだろう。いやほんとすんません。しかし恐縮はしつつも問答無用で企画は進行される。無茶を承知で断行するからこそ、無茶ぶりは無茶ぶりたり得るのだ。

テイスティング1本目はサントリーの赤