九十九里、花の酒『梅一輪』を汲む

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コンビニに並ぶ地酒に注目

近頃、コンビニのオーナーの好みもありそうですが、酒販コーナーに地元の日本酒を並べているお店が増えました。その棚では銘柄に花の名の付くお酒をよく見かけます。菊、桜、梅など花の名前がよく使われています。花の銘柄、千葉県の「花の酒」を紹介します。

花の酒、中でも日本を代表する国花の菊や桜は、国酒でもある日本酒の銘柄として用いられる理由になったのではないでしょうか。銘柄で一番見かける菊は手偏を添えることで「掬う(すくう)」の文字に似るので、水に関わるお酒にとっては意味の深い文字です。

菊の酒、桜の酒、そして梅の酒

酒の命でもある「香り」でいえば、桜の香りは、菊、梅に敵いません。梅は桜より早く中国より渡来し、馥郁たる香りは王朝人に愛されました。桜の花は色合いの美しさ、散り際の美しさとともに愛されていますが、残念なことに香り立つ要素がありません。それに比べ梅は、寒い冬を乗り越え、春一番に香って来ます。江戸時代の俳人、松尾芭蕉の弟子、服部蘭雪が「梅一輪 一輪ほどのあたたかさ」と詠みました。それ故にお酒の名前に用いられました。

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「梅一輪」はほのかに香り立つ

穀倉地帯が広がり東総と呼ばれる千葉県北東部。昔は松尾町、現在の山武市には梅の名のつく銘柄「梅一輪」があります。九十九里産の酒米を使用した「梅一輪」は、ほのかに梅の香りが香り立つようなお酒です。

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「梅一輪」と供にしたのは「スルメイカのゲソ塩茹で」。辛口の「梅一輪」純米酒を引き立ててくれます。生食用の出来合いを近所の鮮魚店で買いました。これだけでもいいのですが、大根の皮の塩揉みを添えました。七味をまぶした塩揉みをゲソと一緒に食べると程よい感じで、付け醤油の必要はありません。

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また、味噌ピーナッツの甘さが箸休めにグッドです。九十九里の西側にうねる大地にはピーナッツ畑が広がります。そこで採れたピーナッツです。

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九十九里の花の酒『梅一輪』、ぜひ一度召し上がってみてください。

■梅一輪酒造株式会社
千葉県山武市松ヶ谷イ2902
http://www.umeichirin.com/

ちなみに見知らぬ町で飲み屋や探す場合は「花の名」のお店を探すことにしています。