【編集長D史上最高のグレーン原酒かも?】キリンのウイスキー「富士山麓」のイベントにて完全にグレーンに開眼してしまった話(前編)

前ページまでの事実は「富士山麓Experience Bar」にお邪魔して接した情報である。で、これを知った上で「富士山麓」を飲んだのだが、そこで“開眼”が訪れたというわけだ。何がスゴイって、ブレンドする前の“単体の”グレーン原酒、これがスゴイ。うまかった。

現在市場に出回っている「富士山麓 樽熟原酒50°」をはじめとする「富士山麓」のブレンデッドウイスキーは、富士御殿場蒸溜所のモルト2種・グレーン3種の原酒をブレンドして作られている。「富士山麓Experience Bar」ではその5種類の原酒を飲み比べできるテイスティングセットが販売されていた。

内容は「1:モルト・フルーティータイプ」=最もベースになるモルトで、雑味が少なく華やか、麦のコクもある。
「2:モルト・モルティータイプ」=ピートの効いたモルトの厚みのある味わい、香りにインパクトがあるが色はやや薄め。
「3:グレーン・ライトタイプ」=マルチカラムで蒸溜されるグレーンですっきり穏やか、これ単体だと典型的な“脇役”感がある。
「4:グレーン・ミディアムタイプ」=ケトルで蒸溜される、ふくよかでふくらみのある甘味が特徴のグレーン。
「5:グレーン・ヘビータイプ」=ダブラーで蒸溜される、ボディ感がしっかり感じられるグレーン、華やかな香りが広がる濃厚な味わい。

通常のブレンデッドウイスキーでは、「3」のグレーンのみを使い、むしろモルトのタイプを多く使ってテイストに幅を出すのが定石だ。が、こともあろうに「富士山麓」ではそのセオリーに真っ向から逆張りをかまし、“グレーンで幅を出す”というアンチテーゼをぶつけてくる。

そして単体で飲むグレーン(特に「4」と「5」)がべらぼうにうまい。編集長D、これまでもウイスキーをいろいろ飲んできたが、グレーン単体でこんなにうまいと思ったのは初めてかもしれない。というぐらいうまい。だいいち「5」なんて、グレーンなのに“ボディ感”だの“華やか”だの“濃厚”だのという形容が付くなど、考えたこともなかった。

こうして未知との遭遇を果たし、完全に「富士山麓」(に使われているグレーン原酒)に目覚めてしまった編集長Dなのであった。